2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J45210
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
粕谷 真由美 (青木 真由美) The University of Tokyo, 宇宙線研究所, 特別研究員(RPD)
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Keywords | ニュートリノ / ヒッグスボソン / レプトンフレーバーの破れ |
Research Abstract |
右巻き粒子と左巻き粒子がそれぞれSU(2)のゲージ対称性を持つようなレフト・ライト対称性模型は、アイソスピン三重項のビッグスボソンの存在を予言し得る。このビッグスボソンは、その中性成分が真空期待値を持つとニュートリノに質量を与えることから、非常に興味深い粒子である。一方で、この中には電荷が2のビッグスボソンも含まれており、特徴的な現象を引き起こす。その一つとして、我々はレプト。ンフレーバーを破るμやτの崩壊について議論を行った。各崩壊過程の分岐比の大きさはニュートリノの混合行列と関係がつけられる。そのため、将来実験においてレプトンフレーバーの破れが測定されたならば、ニュートリノ大角度混合の起源に迫れるなどの可能性があることがわかった。この研究の成果は論文にまとめられ、査読付き雑誌Physical Review Dに掲載された。 また、電荷2のヒッグスボソンは同電荷のレプトン2つに崩壊し、この過程はハドロン加速器において非常にクリーンなシグナルである。我々は、これまで取り入れられていなかったマヨラナCP位相の寄与を含め、各レプトンへの崩壊の分岐比を解析した。マヨラナCP位相は、ニュートリノ振動実験では測定することが出来ず、他の実験においてもまだその大きさは測られていない。しかし、電荷2のヒッグスボソンが存在したならば、加速器実験でその崩壊を見ることで、CP位相の精密測定が可能であることが調べられた。この研究結果は、共同研究者によって日本物理学会で発表された。
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Research Products
(4 results)