2007 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ・アクチュエータ群による旋回噴流燃焼の能動制御
Project/Area Number |
07J52263
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斎木 悠 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ガスタービン / 旋回噴流 / 燃焼制御 / PIV / LIF |
Research Abstract |
本研究の目的は、高負荷変動を伴うガスタービン用小型燃焼器において、常に低窒素酸化物排出、高燃焼効率および安定性に優れる火炎を維持するための能動制御機構を構築することである。そこで、様々な負荷条件に応じて、燃料・空気の混合を柔軟に制御し、燃焼特性の改善を試みる。本年度は、ガスタービン燃焼器内の典型的な流動場である同軸旋回噴流を対象として、ノズル出口内壁に配備したマイクロフラップ型アクチュエータ群により、大規模渦構造を操作し、メタン・空気混合の能動制御を行った。なお、制御機構の解明は、ステレオ画像を用いた3成分粒子画像流速計(3C-PIV)および平面レーザ誘起蛍光法(PLIF)を用いた速度場および燃料濃度場計測により定量的に行った。 はじめに、非制御噴流の速度場を詳細に解析した。特徴として、噴流中心部では、旋回を与えたことにより形成される再循環流とメタン噴流の衝突により、よどみ点が形成され、火炎は浮き上がり、よどみ点近傍に保持される、従って、火炎基部までの混合過程を制御することで、燃焼特性を著しく改善できる可能性がある。 この旋回噴流に対して、フラップを駆動すると、速度場および燃料濃度場は大きく変化する。まず、フラップの駆動周波数によらず、フラップ動作に同期して、旋回噴流の内外せん断層に、強い大規模な渦輪を生成できることが明らかとなった。特に内側せん断層の渦輪は、中心メタン流体の輸送・混合特性を大きく改善できる。そして、駆動周波数が比較的高いf=95Hzでは、大規模渦を連続的に生成でき、メタン・空気の混合を顕著に促進できることを明らかにした。また、さらに駆動周波数を高くすることで、渦のスケールを小さくすることもでき、混合を柔軟に制御できる可能性を示した。 今後は、燃焼排出ガス特性およびCHラジカル自発光変動強度(熱発生率変動強度)により、燃焼特性を評価し、本制御手法が効果的であることを実証する予定である。
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Research Products
(1 results)