2007 Fiscal Year Annual Research Report
ドップラー速度選択方式共鳴イオン化質量分析法の開発
Project/Area Number |
07J52594
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
樋口 雄紀 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ドップラーシフト / 同位体シフト / 共鳴イオン化質量分析法 / レーザーアブレーション / 誘導結合プラズマ / 極微量同位体測定 |
Research Abstract |
ドップラー速度選択方式共鳴イオン化質量分析法(DS-RIMS)の実用化に向け、現状の問題点の抽出とその解決策の検討を行った。 DS-RIMSの利用に関する問題点として、DS-RIMSを実行するためには分析対象元素の共鳴励起波長に対応した狭帯域の波長可変レーザーが必要不可欠であるが、容易に使用可能な半導体レーザーで発振可能な波長域が現在赤〜近赤外域と青色域の一部に限られているのに対して多くの元素の共鳴励起波長は紫外域であり、一部の限られた元素以外へのDS-RIMSの適用が困難である点について、レーザーアブレーションによる試料の蒸気化(原子化)の際に高いエネルギーを持つ準安定準位に励起される原子も同時に生成でき、アブレーション条件を調整することでそのような準安定準位に励起された原子を対象としたイオン化スキームを採用することで容易にDS-RIMSが適用できる元素の範囲を拡大可能であることを示した。 一方、レーザーアブレーションでは試料の原子化率の安定が容易ではないが、他の既存の試料導入法では希ガスをのぞくと効率よく試料を原子化するためには前処理が必要で、多数の試料を短時間で分析することが困難な点について、安定的に試料原子を導入できかつ励起準位に励起可能な簡便な試料導入法として誘導結合プラズマ(ICP)を使用する手法を開発するためにプロトタイプシステムを試作した。ICPを原子源とした場合に主要なノイズとなるICPで発生するイオンの検出抑制を目的としてイオン速度分布の測定を行った結果に基づいた電極構造でイオン軌道上に電位障壁を作成することで、検出されるノイズ信号量を3桁低減できることを示した。
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Research Products
(5 results)