2007 Fiscal Year Annual Research Report
衝突クレーター形成過程のターゲット物性への依存を解明するための実験的研究
Project/Area Number |
07J52793
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
平岡 賢介 Kobe University, 自然科学研究科, 特別研究員(DC)
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Keywords | 衝突クレーター形成過程 / 衝撃圧力減衰率 |
Research Abstract |
本研究では、強度支配域で形成される衝突クレーターの深さが、ターゲットの強度とクレーター深さでの圧縮応力との関係で記述されると仮定し、クレーター深さのスケーリング則の構築を目指した。 クレーター深さでの圧縮応力を見積もるためには、衝撃圧力減衰率と減衰の始まる深さを見積もる必要がある。衝撃圧力減衰率は、反対点放出速度をターゲットの厚さを変えながら測定し見積もった。また、衝突クレーター形成実験を、同じく宇宙科学研究本部に設置してある二段式軽ガス銃を用いて行った。ターゲットは空隙率を約32から40%、質量岩石含有率を0、12.5、25%と変化させたガラスビーズ岩石混合焼結体を用いた。プロジェクタイルとして、ナイロン球、ステンレス球、ガラス球、アルミナ球を用いた。減衰の始まる深さはプロジェクタイル物質に依存していると考えられるので、衝突クレーター形成実験時の反対点放出速度を測定し、先の実験より見積もった衝撃圧力減衰率を用いて、各プロジェクタイル物質に対する減衰の始まる深さを見積もった。 ガラスビーズ岩石混合焼結体中の衝撃圧力減衰率は、空隙率約32%から40%の間では約2であると見積もられた。また、本研究で用いた岩石含有率の範囲ではガラスビーズ岩石混合焼結体中でもほとんど変わらないことがわかった。減衰の始まる深さは、クレーター形成実験時に測定した反対点放出速度から、各プロジェクタイル物質に対してそれぞれ見積もった。見積もられた減衰の始まる深さは、ターゲットとプロジェクタイルの密度比にはほとんど依存していなかった。この見積もられた減衰の始まる深さを用いて、クレーター深さをスケーリングした結果、衝撃圧力減衰率の測定実験と矛盾しない結果を得られた。このスケーリング結果を用いて、今後クレーターの深さからプロジェクタイルのサイズやターゲット強度を推測することができると期待される。
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Research Products
(8 results)