2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本製造業におけるビジネスシステムの変化にかんする研究
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07J52833
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
宮本 琢也 Kobe University, 経営学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 研究開発マネジメント / ローテーション / 中央研究所の役割 / 取引仲介サイト |
Research Abstract |
1.神戸大学モノグラフ(No.0715、No.0813、No.0814)、海外学会報告(International Colloquium Business & Management.2007/11/20)、神戸大学ディスカッションペーパー(No.2007・47、No.2008・21)など 日本の製造業が中央研究所設立ブームを経て、安価な労働力ではなく、生産性の高さや最先端の研究閉発など技術力で国際的な競争を行う構図への歴史的変遷について考察しつつ、今日まで最先端の研究開発を担ってきた中央研究所の役割や機能についての研究はあまりなされていないという問題意識のもとで、本年度の研究では中央研究所の役割や機能についての実証的研究を行った。その結果中央研究所では、国際的に脆弱な基礎研究を効率的に産業用技術へと統合する役割があることがわかった。その一方で、このような高度な「すりあわせ能力」は従来から技術経営の分野でも議論されてきたが、その理由についてはあまり触れられてこなかった。本年度の研究では、日本の中央研究所が技術的課題に対し、集団的な問題解決を行なうためのビジネスシステムと、ローテーションという人事制度上の制度的叡智、及び具体的な製品開発プロセスについての考察を行なっている。とりわけ、経営環境や技術環境に応じてローテーション施策を変化させている点など時系列を追った分析を施している点が非常に価値のある研究である。 2.モノグラフ(No.0812)、関西社会学会報告(2007/5/26) 大手メーカーの研究開発にも貢献できるような特殊な技術をもつ中小企業と大手メーカーの取引を仲介する電子サイトの「NCネットワーク」についての調査報告である。日本の製造業の取引仲介サイトとしては最大の規摸を誇る同社の包括的な調査は資料的にも非常に価値が高く、このような仲介サイトが系列の壁を超えた取引を捉進するための工夫については研究上の価値は高い。
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Research Products
(12 results)