2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞極性タンパク質CRMPファミリーの大脳皮質形成における役割
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07J53003
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
山下 直也 Yokohama City University, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Sema3A / CRMP1 / spine / Cdk5 / Cerebral Cortex |
Research Abstract |
これまでの研究からCRMP1がSema3Aによるシナプス形成促進作用に必要であることを明らかにした。そこでその分子メカニズムを明らかにするために、CRMP1をリン酸化するCdk5に着目した。まずCdk5が関わるかを調べるために、申請当初はRNA干渉法によりCdk5の発現をノックダウシすることを計画した。CRMP1を標的としたノックダウシ実験により、実験系の確立には成功したが、Cdk5のノックダウンでは細胞の生存に多大な影響を及ぼしたため、解析をおこなうまでには至らなかった。そこで、cdk5遺伝子欠損マウスを用いた初代培養による検討に切り替えたところ、解析に十分な程度の試料を用意することができた。解析の結果、cdk5遺伝子欠損マウスにおいて、Sema3Aによるシナプス形成促進作用が減弱するという、crmp1遺伝子欠損マウスと同様の表現型が得られることがわかった。また、crmp1遺伝子欠損マウスの表現型は、野生型CRMP1遺伝子の導入により復帰するが、Cdk5によりリン酸化される部位に変異を導入した非リン酸化型変異体では復帰しないことを明らかにした。これらの結果から、CRMP1はSema3Aの下流でCdk5によりリン酸化されることによりSema3Aによるシナプス形成促進作用に関与することを証明することに成功し、これらの成果は、The Journal of Neuroscience 2007年11月14日号に掲載された。
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