2007 Fiscal Year Annual Research Report
パッシブセイフティシステムによる火災時の地下鉄駅舎内煙流動制御に関する基礎的研究
Project/Area Number |
07J53162
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
徳永 英 Tokyo University of Science, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 地下鉄 / トンネル / 煙 / 模型実験 / 可視化 / 相似則 / 垂壁 / 火災 |
Research Abstract |
本研究では、地下鉄駅舎において火災が発生した際の天井下煙伝播性状、煙先端部が階段室手前の垂れ壁に到達後の煙流動性状に関して、それぞれ予測モデルを構築した。なお、天井下の煙の水平伝播速度および煙層先端部が垂れ壁に到達した後の垂れ壁近傍における煙層高さの2変数に注目し、煙流動モデルによる計算結果と1/20スケール模型実験結果が合致するように、モデル式中に含まれる2つの比例定数C_1、C_<ent>に関して整合性を売る値を選択した結果、モデルから導出される他の変数である天井流の厚さと温度および垂れ壁近傍における煙層温度の計算結果と実験結果も良く一致することを確認した。また、垂れ壁近傍での煙層厚さ、煙層温度を基に算出した遮煙に必要な垂れ壁下での風速の計算結果も実験結果と比較的良く一致することを確認した。これにより、1/20スケール模型実験結果から決定した比例定数C_1およびC_<ent>の値の設定には若干の課題が残るものの、これらに適切な値を設定することで、パッシブセイフティシステムを採用した実大駅舎において、火災時に階段室手前で遮煙を行うために満たされるべき駅舎内部での条件を、火源条件のみを入力値として導出することが可能となった。なお、本研究で提案した煙流動モデルの使用範囲は地下鉄駅舎空間に限定されるものではなく、例えばオフィスビルにおける廊下で火災が発生した場合もしくは火災室から廊下へ煙が流出した場合に、廊下から階段室への煙の流入を防ぐために必要な垂れ壁高さを算出する際にも用いることができることから、有用性は大きいと言える。 その他、本研究では、駅舎の天井を傾斜させることによる効果に関して模型実験および理論から考察を行ったところ、天井勾配が5/100以下の場合には、火災時の旅客の避難安全性確保の観点からは、天井を傾斜させることにより、それ程大きな効果は得られないことを確認した。
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Research Products
(2 results)