2007 Fiscal Year Annual Research Report
マウス胚性幹細胞の神経細胞への分化誘導に関する研究
Project/Area Number |
07J53173
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
北澤 彩子 Toyo University, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | マウス胚性幹細胞(ES細胞) / 脊髄後根神経節(DRG) / 培養上清液(CM) / 運動ニューロン / 分画液 / NGF被覆微小磁気ビーズ |
Research Abstract |
マウス胚性幹細胞(ES)細胞から均一なES細胞コロニーを得ることを目的とし、浮遊培養により形成させたES細胞コロニーの未分化状態及びコロニー形成率を検討した結果、直径200μmのコロニーが多数形成され、且つ10日間培養しても未分化状態を維持していることが明らかになった。神経細胞への分化誘導効果を持つことを明らかにしている脊髄後根神経節(DRG)のconditioned medium(CM)を、直径200μmのコロニーに添加して培養し、分化した神経細胞の種類を同定した結果、分化した神経細胞は主に運動ニューロンであり、分化した神経細胞のうちの50%を占めることが明らかになった。この結果は、感覚ニューロンであるDRG神経細胞から分泌された可溶性物質により、そのターゲットニューロンである運動ニューロンにES細胞の分化誘導が促進されたことを示しており、本研究により初めてターゲット細胞へのES細胞の分化誘導を示唆したものである。限外ろ過フィルターを用いてDRG-CMを分画し、各分画液の神経細胞への分化誘導効果を検討した結果、分子量10,000以上の分画液にDRG-CMと同程度の分化誘導効果が得られた。しかし、5,000以下の分画液にも、無添加に比較して分化誘導効果があった。DRG-CM内には高分子物質の他に低分子物質の分化誘導因子が示唆され、現在誘導物質を特定する研究を行なっている。NGFで被覆した微小磁気ビーズと磁石を用いて、ES細胞から分化した神経細胞のみを磁石領域内に分離・固定する方法について検討した結果、磁石領域内に神経線維を伸長している多くの神経細胞が観察されたことから、特定の細胞を分離・固定する方法を開発することが出来き、今後、分離・固定した細胞を回収する研究を行う予定である。
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Research Products
(4 results)