2007 Fiscal Year Annual Research Report
臓器のモデリングと臓器モデルを規範とした穿刺支援ロボットの制御方法に関する研究
Project/Area Number |
07J53203
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小林 洋 Waseda University, 理工学術院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 手術技術ロボット / 穿刺 / 力学モデル / シミュレーション / 切断条件 |
Research Abstract |
in vitro環境における穿刺実験を行ない,切断が生じる際の針に作用する力を測定した.測定結果より,針の変位に対して針の力が非線形的な上昇を示し,その後,針に作用する力針が肝臓内部にささる現象(切断)が穿刺を行なった際に生じることを確認した.次に,穿刺速度を0.5[mm]-8.0[mm]の間で変化させて実験を行い,切断が生じる際の針に作用するカ(切断力),及び,切断が生じる際の針の変位(切断変位)の速度依存性を測定した.切断変位と切断力の平均値を見ると,切断力に速度依存性はなく,ほぼ一定の値を示している.一方,切断変位の平均値を見ると,穿刺速度が大きくなるに従って,切断変位が小さくなることが確認された.この結果は,針近傍の応力が一定になった際に切断が生じることを示唆していると考えられる.また,実験結果にばらつきが表れることより,切断が生じる条件を確定的に表すのではなく,確率的に表すことが必要性であることが示唆された.実験結果に表れるばらつきを解析することで,切断が生じる確率分布を,ガンマ関数を用いた確率密度関数にてモデル化した. 従来,シミュレーション上において,切断が生じる条件を設定することが困難であった.これらの成果により,「針先端に作用する力によって切断が生じるか決定する」「切断が生じる力を確率的な分布により表す」ことで,穿刺シミュレーションの切断条件を規定することが可能であることが示唆された.これらの成果は,穿刺のみならず様々な手技の臓器の切断条件に適用可能であると考えられる.
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