2008 Fiscal Year Annual Research Report
サンゴ共生系の窒素同化機能を応用したサンゴ礁修復技術開発に関する基礎研究
Project/Area Number |
07J54232
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
神木 隆行 University of the Ryukyus, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | サンゴ / 栄養塩 / 沖縄 / 共生 / 窒素化合物 / サンゴ白化 / ストレス / 環境応答 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、サンゴに共生する単細胞藻類を分離・培養による実験系の確立を継続しておこなった。現段階では、長期継代可能な単離培養系の確立には至っておらず、継続して技術確立に取り組んでいる。培養技術が困難だった事から、研究機関から分株されたシャコ貝由来の褐虫藻Symbiodinium microadriaticum CCMP829を用いた研究をおこなった。S.microadriaticum CCMP829株を用いた研究では、硝酸およびアンモニウムそれぞれを窒素源としたときの増殖率、光合成能の差異などの基礎データの取得をおこなった。 CCMP829株を用いた研究から、次の事柄が明らかとなった。1.アンモニウムと硝酸をそれぞれ強化した培地を用いた培養実験の結果から、硝酸強化培地の方が高い増殖率を示す事が明らかになった。また、光合成能も硝酸強化培地の方が高い値を示した。2.アンモニア強化培地を用いて培養すると共生状態に似た丸型の細胞が優占するのに対し、硝酸強化培地を用いた場合には、遊泳能を持つ卵型の細胞が優占する事が明らかとなった。3.遊泳細胞の割合は、硝酸濃度の増加に伴って増加する事が明らかとなった。 本年度も、琉球大学21世紀COEプログラムの一環である深海調査に同行し、共生深海生物に関する研究を継続した。本調査において、深海無脊椎動物と化学合成細菌との共生系確立において果たす無機化合物の役割について研究をおこなった。本調査の結果から、深海無脊椎動物由来の一酸化窒素と環境中の硫化水素の2種のガス状分子の反応によってしょうじる硫黄分子が化学合成細菌の増殖基質となることで共生系が確立する可能性を示す結果を得た。
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Research Products
(5 results)