2009 Fiscal Year Annual Research Report
両親媒性ハイパーブランチ多糖を側鎖に有する新規薬物キャリアの創製
Project/Area Number |
07J55011
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田巻 匡基 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 両親媒性ハイパーブランチポリマー / ハイパーブランチ多糖 |
Research Abstract |
本研究では新規薬物キャリアとしてグラフト化した両親媒性ハイパーブランチポリマーの合成を目指している。そこで本年は、種々の分子量のハイパーブランチポリマーの簡便な合成法の開発を目的に、モノマー滴下法を用いたハイパーブランチポリグリセロールの合成法について検討を行なった。モノマー滴下速度、モノマーに対する開始剤の割合の最適化を行なった。 生成ポリマーの絶対分子量は9,900-194,000であり、モノマー滴下速度が2.4mL・h-1のとき最大値を示した。これは、重合系内のモノマー濃度を滴下速度によって制御し、反応点の移動および脱離反応を抑制したためと考えられる。また、モノマーに対する開始剤の割合を減少させるに伴い、分子量が増加する傾向がみられた。次に、絶対分子量と固有粘度の関係であるMark-Houwink-Sakuradaプロットを作成した。プロットの傾きから求めた係数αの値が0.26であることから、生成ポリマーは水溶液中において絡み合いの少ない球状構造をとることが示唆された。 以上、モノマー滴下法を用いて種々の高分子量ハイパーブランチポリマーの合成技術を開発した。また本技術は他のモノマーを用いた場合にも有効であり、高分子量の糖由来ハイパーブランチポリグリセロールの合成も達成した。この成果は、薬物キャリアのコアの分子量を簡便に制御出来る点から、実用化および工業化の観点より、意義深い結果であるといえる。
|
Research Products
(2 results)