2007 Fiscal Year Annual Research Report
両親媒性ハイパーブランチ多糖を側鎖に有する新規薬物キャリアの創製
Project/Area Number |
07J55011
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田巻 匡基 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 両親媒性ハイパーデランチポリマー / ハイパーブランチ多糖 |
Research Abstract |
本研究では新規薬物キャリアとしてグラフト化した両親媒性ハイパーブランチポリマーの合成を目指している。そこで本年は、グラフト化部位の導入方法として開始末端修飾法を選択し、末端修飾されたハイパーブランチポリマーの合成について検討する。具体的には、開始剤に末端修飾および分子量制御が知られているトリフラート触媒を用いる。また、上記触媒はカチオン開環重合に関する研究例はほとんどないため、触媒の反応性などの基本的な知見を得る目的で、簡易な構造を有するハイパーブランチポリグリセロールの合成を行った。 まず、開始剤にメチルトリフラート、重合温度-40℃、モノマー濃度3.5mol/Lの条件下にてグリシドールの重合を行った。反応の進行に伴い、系内に沈殿部位が生成し、不均一系にて重合が進行した。光散乱検出器付きサイズ排除クロマトグラフィーによって求めたポリマーの絶対分子量は4,100-4,700、相対分子量は3,200-4,200(ポリエチレングリコール標準)であった。また、反転ゲートデカップリングつき^<13>C NMRにより、ポリマー中に開始末端であるメチル基を観測した。Freyの式により導出した生成物の分岐度は、約42-50%であった。 以上のことから、生成物は高度に分岐したハイパーブランチポリマーであることが示唆された。また、トリフラート系触媒を用いることによって末端修飾したハイパーブランチポリマーの合成法を確立した。
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