2008 Fiscal Year Annual Research Report
8個の光子による、量子もつれ状態(GHZ状態)の生成
Project/Area Number |
07J55021
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
永田 智久 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 制御ノットゲート / 量子光学 / 量子計算 |
Research Abstract |
本年度は、制御ノットゲートのエラー解析及び低エラーゲートの構築に加え、単一光子源の開発及びゲート連結装置の開発に取り組んだ。 まず、ゲートのエラー量を解析するためのモデルを再構築した。これにより、パラメータに対する関数としてエラー量を導けるようになった。エラー原因の変化と、それによるエラー量が線形ではないことがわかり、所望のゲートを構築するにはどのような性能の部品、装置を用いれば良いかがより明確になった。 次に、改良された部分偏光ビーム・スプリッタ(PPBS)でのエラー量を実験により評価した。新しいPPBSでは、前回の結果を踏まえ、反射波に与えられる位相遅れが水平偏光と垂直偏光とで異なることによる位相エラーの影響を少なくするように設計されている。実験による評価とモデルによる計算から、前回のPPBSを用いた場合よりも5%ほどエラー量を減少できることがわかった。 また実際の測定により、ゲートにおけるエラー量の見積もりを行った。ゲートのエラー率は3%以下と非常に精度の高いゲートを構築できていることがわかった。 光源の開発については、引き続きパラメトリック下方変換を用いた光源を使用している。その生成効率を向上させるため、結晶軸とポンプ入射光の角度、ポンプのパルス照射時間、結晶とシングル・モード・ファイバ間の距離、用いる結晶の厚さなどを様々に変化させながら最適な条件を求めた。これにより、前回に比べ2光子同時係数が10%ほど増えた。 ゲートの連結部装置の開発では、E/Oモジュレータを始めとする装置の立ち上げ作業を行った。特にE/Oモジュレータの性能評価について検討し、その消光比、光の透過率、および電気信号に対する素子の応答速度が今回の実験に適していることを確認した。
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Research Products
(6 results)