2007 Fiscal Year Annual Research Report
8個の光子による、量子もつれ状態(GHZ状態)の生成
Project/Area Number |
07J55021
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
永田 智久 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 量子光学 / 量子計算 / 制御ノットゲート |
Research Abstract |
本課題では、シリアル連結した制御ノットゲートによる多光子GHZ状態め生成を目指す。本年度は、制御ノットゲートのエラー解析及び低エラーゲートの構築に取り組んだ。 まず、エラー量を精密に解析するための高精度評価系を構築した。これは、高い消光比を持つ光学素子を精選することにより実現した。 次に、この構築した高精度評価系を用いて部分偏光ビーム・スプリッタ(PPBS)でのエラー量を評価した。PPBSは、水平偏光と垂直偏光で反射率が異なり、水平偏光の反射率は1/3である一方、垂直偏光はすべて反射するという特殊なビーム・スプリッタで、本研究での制御ノットゲート構築において最も重要な光学素子である。古典光を用いた評価により、PPBSによる主なエラー原因は、反射率の不備による振幅エラーと、PPBSで反射波に与えられる位相遅れが水平偏光と垂直偏光で異なることによる位相エラーであることがわかった。 また、理論モデルの構築により、これらのエラーが制御ノットゲートの性能に与える影響についても考察した。構築した理論モデルから、振幅エラーと位相エラーそれぞれによる影響を見積もり、現在保有するPPBSでは、位相エラーによる影響が比較的大きいことを確認した。位相エラーは、入射した直線偏光が楕円偏光で出力される問題を起こす。この問題に対する解決策として、PPBSの出力ポート2ケ所に位相エラーを完全に0にする補正用光学素子を挿入する方法を提案した。 さらに、もう一つのエラー原因である、2光子量子干渉の干渉性による影響も考察した。これにより、期待できる制御ノットゲートの性能を、古典情報から完全に記述できるようになった。
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Research Products
(4 results)