2007 Fiscal Year Annual Research Report
PKAシグナルによるATF4の活性化機構と上皮-間充織転換の制御メカニズムの解明
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07J55041
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 享 Tohoku University, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 神経堤細胞 / 上皮-間充織転換 / PKA |
Research Abstract |
神経堤細胞は外胚葉性上皮細胞から上皮-間充織転換(EMT)によって離脱し、様々な場所に移動して、末梢神経系の細胞や色素細胞な様々な細胞種に分化する。私の所属する研究グループでは、神経堤細胞のEMT過程にcAMP依存性キナーゼ(PKA)が重要な機能を果たしていることを報告している。私がPKAシグナルの機能をさらに詳しく調べる過程で、PKAシグナルによってその活性が制御される転写因子、ATF4が神経堤細胞に発現していることが分かった。さらに、神経堤細胞がEMTに起こす過程においてATF4タンパク質が細胞質から核へ移行することを明らかにした。本年度は神経堤細胞のEMT過程におけるATF4の機能を調べるために、まずATF4の全長をクローニングした。クローニングした全長のATF4の転写活性化領域をEn遺伝子の転写抑制領域に置き換え、ATF4の機能阻害型のEn-ATF4を作製した。En-ATF4遺伝子を鳥類初期胚の神経堤細胞に電気穿孔法を用いて導入すると、遺伝子が導入された神経堤細胞では、神経堤細胞特異的マーカーであるHNK1の発現が消失することが分かった。このことからATF4は神経堤細胞に発現する遺伝子の発現を調節することが示された。なお上記の研究結果については2007年5月に福岡で開催された第第40回大会日本発生生物学会・第59回日本細胞生物学会合同大会にてポスター発表、及び宮城蔵王にて2008年に1月に開催された東北大学脳科学グローバルCOE第1回国際カンファレンスにおいて、英語によるポスター発表を行った。
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