2008 Fiscal Year Annual Research Report
超高圧合成法による燃料電池用高容量新規リチウム系水素貯蔵材料の探索
Project/Area Number |
07J55061
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
片岡 理樹 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Li系水素化物 / 超高圧合成法 / 水素貯藏材料 |
Research Abstract |
本研究では超高圧法を用いた、新規水素貯蔵材料開発を目的としてLi遷移金属系新規水素化物の探索が行なわれ、Li-TM(TM=Zr、Hf、V、Cr、Mn、Ni)系において新規水素化物の合成に成功した。各新規水素化物相の結晶構造は単純立方晶系(Li-Zr、Hf系)、NaCl型構造(Li-V系)、及び面心立方晶系(Li-Cr、Mn、Ni系)である事がわかった。組成についてはLiが軽元素であるため、実験室レベルのX線装置では同定が難しく、また、EDX等の定量分析も困難な為、決定出来なかった。今後、放射光を用いて詳細な組成について検討する予定である。水素放出温度はLi-Hf系において約600K、Li-Cr系では420K、及びLi-Mn系では396Kから始まる事が確認され、単体LiHが分解(融解)する953Kと比べて放出温度が低下している事が確認された。Li-Zr,V系の新規水素化物は500℃まで熱的な安定性を検討したが水素の放出は確認されなかった。また、これらの試料について、水素気流中及び2MPa-H_2中における水素の吸放出特性も調査したが、水素放出時に原料相に分解し、可逆性は確認されなかった。これまで、Li-遷移金属系の水素化物は殆ど報告が無く、水素貯蔵材料としての特性は十分に検討されていなかったが、今回の結果から、遷移金属がLi系水素貯蔵材料の放出温度を低下させる有効な元素である事がわかった。
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Research Products
(4 results)