2008 Fiscal Year Annual Research Report
膵ランゲルハンス島形成機構の解明 新たな膵島再生療法を目指して
Project/Area Number |
07J55091
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
原 朱美 Gunma University, 生体調節研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アクチビンシグナル / 膵島 / 形態形成 |
Research Abstract |
Cre-LoxPシステムにより、タモキシフェン(TM)投与後、全身で変異型II型アクチビン受容体(trActRIIa)を過剰発現する遺伝子組み換えマウス(Tg-trActRIIa)を作製し、アクチビンシグナルを時間特異的に阻害した時の膵島形成への影響を形態学的に解析することにより、膵島構造形成へのアクチビンシグナルの役割を明らかにすることを目的として研究を進めた。Tg-trActRIIa作製には、LoxPおよびトランスジーンとしてtrActRIIaをもつCAGtrActRIIaマウス、TM投与後全身でcre recombinaseが機能するCAGCre-ER^<TM>マウス(ジャクソン研究所より購入)の2種類を用いた。 CAGtrActRIIaファウンダーマウスの作出:CAGtrActRIIaコンストラクトのうち、CAGプロモーター、LoxP配列、そしてtrActRIIaおよびHAタグを含む領域約4890bpをマウス受精卵にインジェクションした。そして23系統のファウンダーマウスを作出し、現在、F2世代からF5世代まで交配を進めている。 Tg-trActRIIaの作製:TMによる組み換え効率を調べるため、F3世代まで進んだCAGtrActRIIaマウスとCAGCre-ER^<TM>マウスを交配し、確定妊娠13日目の母獣に数種類の濃度(0、1、2、3、6mg/40g)のTMを投与した。投与数日後、PCR法および免疫組織化学的手法を用いて、胎仔のTMの組み換え効率を調べた。その結果、TMは3mg/40g以上投与することにより、投与後2日目でHAタグの発現が認められたことから、Cre-LoxPシステムが機能することが確認できた。現在、TMの濃度における各組織でのHAタグの発現量を解析している。 Tg-trActRIIaの解析:数系統のCAGtrActRIIaマウスとCAGCre-ER^<TM>マウスを用いて、胎仔の膵発生初期にあたる確定妊娠9日目でTMを投与し、出生直後での形態変化の解析を開始した。現在、各胎仔の水平断連続切片を作製し、三次元的に詳細な解析を進めており、近日中に結果が出るものと考えられる。
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Research Products
(5 results)