2007 Fiscal Year Annual Research Report
ブリルアン光相関領域リフレクトメトリの提案と実験的検証および性能向上
Project/Area Number |
07J55121
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水野 洋輔 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | ブリルアン光相関領域リフレクトメトリ / BOCDR / 光波コヒーレンス関数の合成法 / スマートマテリアル / スマートストラクチャ / ブリルアン散乱 / 光ファイバ / 分布型歪センサ |
Research Abstract |
近年、多様化する構造物の安全性を監視するシステムの必要性が急速に高まっている。このような需要の下、ブリルアン散乱をセンシング原理とする種々の分布型センサが研究されている中で、連続光の相関を制御するブリルアン光相関領域解析法(BOCDA)による歪センサは、従来技術を凌ぐ高空間分解能(1.6mm)、高サンプリングレート(57Hz)を実現したことから大きな注目を集めている。しかし、BOCDAは測定ファイバ(FUT)の両側からポンプ光・プローブ光を入射する必要があり、FUTに断線が生じた場合は正しく診断することができない。そこで我々は、片端入射型の新たな歪分布測定技術、ブリルアン光相関領域リフレクトメトリ(BOCDR)を提案した。まず、BOCDRの基本動作を確認し、40cmの空間分解能と50Hzのサンプリングレートの両立に成功した。次に、13mmという高空間分解能を達成した。この13mmという空間分解能は、これまでに報告されている自然ブリルアン散乱を用いた歪測定リフレクトメトリは言うまでも無く、誘導ブリルアン散乱を用いたあらゆるブリルアン光時間領域解析法(BOTDA)よりも優れた値である。また、BOCDRに特有な雑音要因について詳しく解析した。さらに、実用を踏まえた1.5kmという長い測定レンジにおいて、空間分解能2.6mでの歪分布測定に成功した。ごく最近には、本質的な性能指標である「測定レンジと空間分解能の比」を向上させるべく、時間ゲート法を考案、BOCDRに適用し、測定レンジ1kmでの空間分解能を66cmまで向上させた。今後は、S/N比の改善・偏波の抑制・レイリー散乱とブリルアン散乱の分離など、BOCDRの更なる高性能化を進め、実用化を目指す予定である。
|
Research Products
(14 results)