2009 Fiscal Year Annual Research Report
原子力プラントの流体腐食相互作用に対する粒子法によるマルチスケール解析手法の開発
Project/Area Number |
07J55151
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
近藤 雅裕 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | マルチスケール流体解析 / 粒子法 / DPD / ハミルトン力学 |
Research Abstract |
粒子法は流体や固体といった連続体の力学に対する新しいコンピュータシミュレーションの方法である。中でも、MPS(Moving Particle Semi-implicit)法は東京大学の越塚と岡が開発したもので、水などの自由表面を有する非圧縮性流れを扱うことができる。一方、分子動力学も粒子の運動を計算する方法であるが、扱える分子数に計算機性能による限界があるので、連続体領域まで扱うことはできない。そのため、分子動力学と連続体力学の中間スケールの問題に対して、これまで有効なシミュレーション手法は存在しない。そこで、連続体力学における粒子法と分子動力学を融合して、中間スケールを扱うことのできる計算手法を開発する。これまでに、連続体スケールにおける表面張力と接触角を同時に定量的に再現できる新しい粒子間ポテンシャルモデルを開発した。このような分子動力学のモデルで連続体の力学を再現できるのは粒子法の大きな利点である。具体的には以下の研究をおこなった。 1)ハミルトン力学にもとづく連続体力学に対する粒子法の開発 ハミルトン力学は分子動力学や天体力学など、さまざまな粒子系の計算手法の原理となっている。そこでハミルトン力学にもとづいた連続体力学のための粒子法を開発し、ミクロスケールと整合するようにした。 2)マルチスケール粒子法の開発 DPD(Dissipative Particle Dynamics)にもとづいた中間スケールの粒子法を開発した。マクロな物性である粘性、表面張力、相変化(沸点)の定性的な再現に成功した。
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Research Products
(5 results)