2007 Fiscal Year Annual Research Report
原子力プラントの流体腐食相互作用に対する粒子法によるマルチスケール解析手法の開発
Project/Area Number |
07J55151
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
近藤 雅裕 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 粒子法 / 分子動力学 / マルチスケール / 連成問題 / 流れ / 腐食 / 表面張力 |
Research Abstract |
粒子法は流体や固体といった連続体の力学に対する新しいコンピュータシミュレーションの方法である。中でも、MPS(Moving Particle Semi-implicit)法は東京大学の越塚と岡が開発したもので、水などの自由表面を有する非圧縮性流れを扱うことができる。一方、分子動力学も粒子の運動を計算する方法であるが、扱える分子数に計算機性能による限界があるので、連続体領域まで扱うことはできない。そのため、分子動力学と連続体力学の中間スケールの問題に対して、これまで有効なシミュレーション手法は存在しない。そこで、連続体力学における粒子法と分子動力学を融合して、中間スケールを扱うことのできる計算手法を開発する。これまでに本研究者は、連続体スケールにおける表面張力と接触角を同時に定量的に再現できる新しい粒子問ポテンシャルモデルを開発した。このような分子動力学のモデルで連続体の力学を再現できるのは粒子法の大きな利点である。本研究では、分子運動に対する乱流モデル、相変化の際の潜熱のモデルにおいて、分子動力学と共通する連続体力学のモデルを構築し、既に開発した表面張力モデルと合わせてマルチスケール粒子法を開発する。開発したマルチスケール粒子法は定量的な検証をおこなったのち、原子力発電プラントで問題となっている腐食と流動が連成する現象に適用する。平成19年度は以下の研究をおこなった。 平成19年度は以下の研究をおこなった。 1)表面張力モデルの高精度化 現在の粒子間ポテンシャルを用いる表面張力モデルでは、液滴振動の計算では減衰が速く、濡れ性の計算では接触角の定量的な再現性が十分ではない。そこで、表面張力計算モデルの計算精度を向上させる研究を実施した2)マルチスケール粒子法の開発 分子動力学および散逸動力学(DPD)について文献調査をおこなった。特にDPDは、分子動力学を粗視化することで時間及び空間スケールの大きな問題を対象とするものであり、マルチスケール粒子法に対して現在もっとも有効であると考えられる。今後、MPS法やSPH法などのマクロスケールの粒子法とDPDとの関係を研究し、マルチスケール粒子法の開発を目指す。 2)マルチスケール粒子法の開発 分子動力学および散逸動力学(DPD)について文献調査をおこなった。特にDPDは、分子動力学を粗視化することで時間及び空間スケールの大きな問題を対象とするものであり、マルチスケール粒子法に対して現在もっとも有効であると考えられる。今後、MPS法やSPH法などのマクロスケールの粒子法とDPDとの関係を研究し、マルチスケール粒子法の開発を目指す。
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Research Products
(2 results)