2008 Fiscal Year Annual Research Report
原子力プラントの流体腐食相互作用に対する粒子法によるマルチスケール解析手法の開発
Project/Area Number |
07J55151
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
近藤 雅裕 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | マルチスケール流体解析 / 粒子法 |
Research Abstract |
粒子法では連続体を複数の粒子の集まりで表現し,粒子の運動により連続体の運動を近似する計算手法である.連続体の支配方程式に基づき粒子同士に相互作用力を与えることで計算を行う.本研究では,マルチスケール粒子法の開発にむけて以下に関して研究を行った.(1)3次元粒子法弾性体解析において総エネルギー保存性のよい方法を開発した.また,手法の数値振動の抑制方法も提案した.これは粒子法の分野では基礎的なアルゴリズムの開発であるが、最先端であるとともに,今後,分子動力学と連続体解析のための粒子法を統合していく上で有用な概念である.(2)粒子法非圧縮性流体解析における圧力振動を抑制し,安定性を向上する方法を提案した.空間スケールが小さい場合には音速が流速より非常に大きくなる場合が多いので非圧縮近似が有効であり,粒子法の適用範囲を広げるために有意義である.(3)分子動力学に用いられている分子間ポテンシャルに類似した粒子間力によって表面張力と濡れ性を統一的に計算する表面張力モデルを開発した.本来,表面張力とは分子間力がマクロな連続体の性質として現れるものであるので,粒子法によるマルチスケール解析で有用と考えられる.本モデルは固体高分子形燃料電池のガス拡散層内の水滴挙動の解析に応用された.(4)分子スケールの現象と連続体スケールの現象が相互作用する中間的な空間スケールの問題に対する粒子法は発展段階にある.DPD法もその1つであり,DPD法の粘性について検討した.
|
Research Products
(3 results)