2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J55251
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉元 英一 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(AC1)
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Keywords | 形態形成 / 数値シミュレーション / 発生生物学 / ドロネー分割 |
Research Abstract |
私は現在、動物の形態形成を数理的に理解することを目的とした数理モデルの構築を行っていますが、その上で生じる問題のひとつにその基本単位の問題があります。形態形成は細胞を基本単位として行われますが、細胞を基本単位として考える場合には細胞分裂や細胞死による基本単位の追加や削除、及び細胞が一定の空間を占めることを考慮に入れる必要があります。 そこで私はこの問題を解決するためにドロネー分割法を用いました。この分割法はメッシュ全体の構造を再構築する必要なく計算点の追加と削除が可能であり、細胞を基本単位と考える上では最適な手法と考えられたので、ドロネー分割法に基づいて計算点の追加や削除を行うアルゴリズムを実装しました。また、ポテンシャル関数に基づく細胞移動も実装しました。ポテンシャル関数は原子間力の数値計算に用いられており、遠距離では引力、近距離では斥力を発生させることができます。このアルゴリズムを実装してみたところ、細胞が一定の空間を占める状態を再現することができました。以上のアルゴリズムから二次元平面上にランダムに配置した細胞群が徐々に凝集していく様子を再現することにも成功しました。 現在のところ、細胞を基本単位とする数値計算の基礎部分はほぼ完成に至っています。今後は1つの細胞から細胞分裂が始まり徐々に複雑な形態を形作っていく過程の再現を目指し、パターン形成の過程の導入や二次元平面から三次元空間への拡張に挑戦していきたいと考えています。
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