2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J55341
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小椋 英樹 Osaka University, 生命機能研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 免疫応答 / イメージング / IL-6増幅ループ / 自己免疫 |
Research Abstract |
本研究の目的は、生体内における免疫反応を時空間的にイメージングすることである。一般臓器への免疫細胞の移動、あるいはそれらをコントロールするサイトカイン発現を時空間的に視覚化することは、免疫反応を理解し、制御する上で重要である。特に自己免疫疾患において、自己に対する過剰な免疫応答を制御することはその治療・予防に有用であり、自己免疫応答の視覚化はその制御方法を開発する上で意義深い。 当研究室で作製されたF759マウスは、生後一年以内に自己免疫性関節炎を自然発症し、その病態がヒト関節リウマチとよく合致することが既に報告されている。このF759関節炎を自己免疫疾患のひとつのモデルとし、その発症機序について解析を行った。その結果、1、IL-17aがF759関節炎発症に重要であること、2、IL-17aによりIL-6が産生されることが発症に重要であること、また、3、試験管内で、繊維芽細胞において、IL-6/STAT3とIL-17a/NF-kBの活性化経路が相乗的にIL-6の産生を増加させること、が示された。これらからIL-17aにより、非造血系においてIL-6の増幅ループが形成されることが自己免疫発症に重要であると予想され、事実、この増幅ループの構成因子であるSTAT3を非造血系でコンディショナル・ノックアウトしたF759マウスは、関節炎発症が顕著に抑制された。さらにこのIL-6の増幅ループのモデルは、多発性硬化症モデル、EAEにおいても適合することを示した。これらから、IL-6の増幅ループは広く自己免疫疾患一般について、その発症に重要であると考えられた。 現在、この非造血系におけるIL-6増幅ループが、どのように自己免疫疾患を発症させるのかを調べるため、IL-6発現細胞において蛍光を発するノックインマウスの作製によるIL-6増幅ループの可視化など、種々の方法を試みている。
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Research Products
(4 results)