Research Abstract |
[研究課題(2)]臨床で用いられている薬剤との併用効果の検討 温熱と微弱電流の併用処置により,2型糖尿病モデルマウスの脂肪量の顕著な減少が認められた.そこで,脂肪細胞に分化する3T3-L1細胞を用いて,温熱と微弱電流が直接的に脂肪細胞を減少させているか検討し,さらに糖尿病治療薬との併用の可能性を模索した.その結果,肥大化脂肪細胞特異的に,温熱と微弱電流の併用処置を行った細胞では,細胞死の促進が認められた.また,肥大化していない成熟脂肪細胞の細胞死は誘導せず,成熟脂肪細胞における油滴合成,油滴分解能,および蓄積油滴量にも影響しないことが明らかになった.したがって,温熱と微弱電流の併用処置は,肥大化脂肪細胞に対する直接的且つ選択的な細胞死誘導作用を有することが示された.したがって,既存の糖尿病治療薬であるピオグリタゾンに類似した作用があると示唆されるため,ピオグリタゾンの用量を減少させても有効性は維持し,且つ副作用は軽減することが可能ではないかと考えられる. [研究課題(3)]2型糖尿病の病態改善におけるHsp72の作用機序の解明 Hsp72過剰発現マウスを用いて,高脂肪食負荷による病態発症を検討した.その結果,野生型マウスと比較して,Hsp72過剰発現マウスでは,空腹時血糖値や随時血糖値の改善が認められた.また,Hsp72過剰発現マウスに微弱電流を処置することで,さらなる病態改善が認められるか検討した.その結果,興味深いことに微弱電流は脂肪量を顕著に減少させた.したがって,血糖の改善においてHsp72が重要であることが示された.
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