2007 Fiscal Year Annual Research Report
次世代筋収縮能評価インタフェース:超音波3D心筋ストレイン映像法の開発と展開
Project/Area Number |
07J55481
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
布 樹輝 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 心筋虚血性疾患 / 左心室 / 心筋収縮能 / 動的格子補間法 / 位相勾配法 / 複合自己相関法 |
Research Abstract |
心筋壁運動異常の評価には、超音波を用いたものに組織ドプラ法や心筋ストレインレート法などが知られているが、前者は胸壁に対する動きの検出であり、後者は超音波ビーム方向のみの1次元的な収縮の検出のみであるため、正確な局所収縮の把握は困難である。また、MRIを用いたTagging法は、2次元的な収縮を画像化できるが、空間分解能が低い、金属の近くではアーチファクトが出る、装置が大掛かりで簡便ではないなどの問題がある。これに対し、本年度の研究は以下の点に特色をもつ独創的かつ実用的な手法を開発する。 1)超音波により3D変位ベクトルを計測することで、局所の収縮率の分布を高い空間分解能で画像化できる。 2)ダイナミックレンジが広くかつ複雑な心臓の動きに対しても頑健で高SN比での広範囲の収縮率を計測できる。 3)ひずみテンソルの算出に動的格子補間法を用いて高精度と高コントラストの局所収縮能イメージが得られる。 そこで、本研究では、複雑な変形がある場合でも、位相差検出精度を維持し、高精度な収縮能パラメータ分布像を得ることが可能なものとして、動的格子補間法を提案し、それを位相勾配法に組み合わせた実用的な3D心筋収縮能イメージング法を開発した。これまで、理論的な解析、さらに実際の測定系と梗塞部位を含む3次元的な心筋の動きや雑音特性を忠実に再現したシミュレーション解析により、局所収縮能のイメージングとしての性能評価を行った。提案手法では、精度とSN比が向上して明瞭に描出されており、実際の複雑な動きや雑音の下でも頑健という高い実用性が示された。
|