2007 Fiscal Year Annual Research Report
下層労働力編成メカニズムの解明に向けた社会学的研究
Project/Area Number |
07J55511
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
渡辺 拓也 Osaka City University, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 飯場 / 建設産業 / 寄せ場 / 下層労働 / 不安定就業 / 都市下層 |
Research Abstract |
本研究では、労働市場の末端に置かれた労働者、すなわち、「下層労働力」を、どこから調達し、どのように管理し、どのような業務に適用するのかというメカニズムを「下層労働力編成メカニズム」と捉え、この解明を目指している。具体的な対象としているのは建設日雇労働者であり、中でも飯場に入寮して就労する飯場労働者に注目している。筆者はこれまで、大阪の寄せ場・釜ケ崎を求人ルートとする飯場において調査を行ってきた。特に、飯場における労働実態、飯場労働者の意味世界についての解明に力を注いできた。 初年度は、これまでの労働力供給側の実態解明に対し、労働力需要側の実態解明に向けて、インタビュー調査を継続的に進めてきた。まず、釜ケ崎で求人する事業主(飯場経営者を多く含む)の求人登録や労働・福祉相談を行っている財団法人西成労働福祉センターの職員にインタビュー調査を行った。その結果、現在の釜ケ崎がおかれた状況、歴史的な寄せ場の変容、寄せ場の労働者に求められる労働力の実態等について有益なデータを得ることができた。これに加え、実際に飯場の労働力を利用する事業主へのインタビューも行った。これにより、求人業者の登録業務を介して把握されたセンター職員の広い現状認識に加え、実際に労働力を活用して業務を行っている事業主の質的に厚い現状認識にもとづくデータを得ることができた。これは初年度の調査の大きな収穫だった。 研究成果については、学会報告や学会誌等への発表を通して公開に務めた。今後、初年度の成果をまとめつつ、次年度の活動も積極的に展開していきたい。
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Research Products
(3 results)