2007 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカツメガエル生殖細胞質でのミトコンドリアATP合成酵素の減少機構の解明
Project/Area Number |
07J55531
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
向後 直美 University of Hyogo, 大学院・生命理学研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | 生殖細胞質 / ミトコンドリア / ATP合成酵素 / アフリカツメガエル |
Research Abstract |
ツメガエルにおける、生殖細胞質(GP)とミトコンドリア(Mt)の関係を明らかにするために、GPに特異的なMtの構成タンパク質のパターンを解析した。その結果、GPのMtに少ないタンパク質としてATP合成酵素(ATPase)を同定した。ATPaseのサブユニットであるFo-bの抗体を作製して、免疫染色により細胞内の局在を調べると、st.VI卵母細胞では、GPのMtでATPaseが減少するが、将来、体細胞へ分化する領域のMtではATPaseの発現があり、一つの細胞の中で、Mtの住み分けがあることがわかった。 以下、平成19年度に実施した研究成果である。 免疫染色の結果でFo-b陰性であったMtの電子伝達系が、活性か否か、そして、どのような超微細構造をもつか電子顕微鏡観察をした。電子伝達系の酵素であるCytochrome c oxidase(COX)の活性は、3.3'-diaminobenzidine(DAB)反応を行い、酸化されたDABによって内膜を染色して検出した。 St.I卵母細胞のMtでは、内膜がDABで染色され、COX活性が検出された。St.VI卵母細胞の動物極のMtでは内膜とクリステの部分で強くDABで染色されるのに対して、GPを含む植物極表層のMtでは、内膜、クリステともにDABで殆ど染色されず、COX活性が低かった。 St.I卵母細胞のMtは短いものが多く、クリステが未発達であった。一方、st.VI卵母細胞の動物極、植物極のMtは、ともにクリステは発達したものであった。 St.I卵母細胞の免疫染色において、Fo-bのシグナルが検出されなかったのは、ATPaseが存在するクリステが未発達なためであると考えられる。また、St.VI卵母細胞の植物極表層でFo-bのシグナルが低いのは、GPを含む植物極表層で、酸化的リン酸化の活性が減少しているためであることが示唆された。
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Research Products
(1 results)