2007 Fiscal Year Annual Research Report
高等教育に於ける障害学生支援に関する実践的および規範的研究
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07J55621
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
青木 慎太朗 Ritsumeikan University, 大学院・先端総合学術研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 視覚障害 / 障害者福祉 / 高等教育 / バリアフリー / ボランティア / 著作権 / 支援技術 / アクセシビリティ |
Research Abstract |
高等教育(大学等)における障害者の受け入れは、近年になってようやく注目されてきた。日本学生支援機構を中心として全国規模の調査が実施され、また日本学生支援機構や筑波技術大学を中心とした大学支援室間のネットワークによって、その実態や問題点が徐々に明らかになってきた。受け入れに積極的な大学に共通することとして、こうした支援を大学内で制度化し、どういう学生に対してどういう支援を行うかを明示しているが、その「制度化」が招く問題点もある。この点を福祉社会学会で報告した。また、立命館大学での具体例を踏まえつつ、日本社会福祉学会の発表ではこれに加えて、現在の障害学生支援制度が学部に在籍する学生の授業を支援することを念頭に置いているが、大学院に在籍する障害をもつ院生の支援は想定しておらず、それによって具体的にどういう問題が生じているかをまとめた。とくに、立命館大学大学院で視覚障害のある院生の支援の実態を、支援を受けて学ぶ院生、支援に携わっている院生らと共にまとめたのが障害学会でのポスター発表である。 障害学会第4回大会ではこのほか、「視覚障害学生支援の技法」と題して、視覚障害学生支援に関するこれまでの研究成果をまとめる形でポスター発表を行うとともに、視覚障害者が利用できる支援技術の現状を整理して報告した。これをさらに発展させ、技術面の議論をまとめ、2008年2月の研究会で報告を行った。 また、2008年3月の立命館大学と北京大学・北京航空航天大学との交流会(北京にて開催)では、大学における障害者の受け入れ、およびその支援の現状について、日本の事例をまとめて報告し、そこでのやり取りを通して、中国では大学における障害者の受け入れがなされていないこと(それ故議論も起こっていない)、しかしその現状は、戦前の日本と似ていることを感じた。
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Research Products
(9 results)