2008 Fiscal Year Annual Research Report
高等教育に於ける障害学生支援に関する実践的および規範的研究
Project/Area Number |
07J55621
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
青木 慎太朗 Ritsumeikan University, 先端総合学術研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 高等教育 / 大学 / 視覚障害 / 学生支援 / 障害者福祉 / 自立支援 / アクセシビリティ / 著作権 |
Research Abstract |
高等教育(大学等)における障害者の受け入れは、近年になってようやく注目されてきた。日本学生支援機構を中心として全国規模の調査が実施され、また日本学生支援機構や筑波技術大学を中心とした大学支援室間のネットワークが構築されてきたことにより、その実態や問題点が徐々に明らかになってきた。情報交換の場を設けると同時に、支援ノウハウを共有するためのセミナーが開催された。それらに参加し、具体的な取り組みが紹介し、障害者を受け入れたがどのように支援してよいか分からない大学などの参考にしていただくよう努めた。 障害をもたずに教育を受けてきたが、入学の直前乃至在学中に事故や病気によって障害をもった学生は少なくない。そして、こうした学生たちには障害学生支援をはじめとした必要な情報が行き渡っていない。彼らと最初に関わることになる医療関係者やリハビリ関係者も、大学の障害者支援がどうなっているのか、どういう状態なら進学することができるか、情報をほとんどもっていないことも明らかになってきた。さらに、特別支援学校の進路担当者でさえも、大学進学に際して何を為すべきか、大学に何を働きかけていけばよいのか、分かっていない。その点を指摘した。また、これに関連して、障害者が自分の障害とどう向き合うか、障害をどう受容しているのか、そもそも障害は受容できるのかといった問題について考え、まとめた。 障害者は、福祉行政からさまざまなサービスを受けて暮らしている。では、障害者自立支援法は、高等教育を受けている/受けようとする障害者の支援にどう関わっているのだろうか。その疑問に答えるべく、さしあたり視覚障害者の読書と通学を例にとってまとめ、日本社会福祉学会で報告した。また、読書に特化して、日本教育工学会における報告で論じた。 上記を含め、これまでの取り組みをまとめた上で、立命館大学障害学生支援室とも共同し、そこに蓄積された視覚障害学生支援、とりわけ立命館大学で重点的に取り組んでいるテキスト校正のノウハウをまとめたガイドブックをも盛り込んで、『視覚障害学生支援技法』を生存学研究センターより刊行し、その編集に当たった。
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Research Products
(12 results)