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1996 Fiscal Year Annual Research Report

敦煌写本の書法と料紙に関する調査研究

Research Project

Project/Area Number 08041034
Research InstitutionKyoto National Museum

Principal Investigator

赤尾 栄慶  京都国立博物館, 学芸課, 主任研究官 (20175764)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 富田 淳  東京国立博物館, 学芸部・東洋課, 主任研究官 (20227622)
Keywords大英図書館 / 淳煌写本 / 書法 / スタインコレクション / 長安宮廷写経
Research Abstract

ロンドンに約9週間滞在し、大英図書館東洋写本部において、スタインコレクション中の120点余りの淳煌写本・写経を精査し、その書風・書法の観察及び紙数・紙高・紙長・紙色・紙厚・箕目・界高・界巾などの書誌データを採録した。
その結果、従来よりあまり注目されていなかった1紙の行数が、唐時代を中心に1紙28行となっていることは新たな知見といってよい。また、1行の字数が6世紀にごく近い5世紀後半になって17字に確定したことが確認され、料紙の紙質に関しては、北魏時代(5世紀)から北宋時代初期(10世紀)にかけて、紙質や箕目に一定の時代的特徴があるのではないかということが予想されることも重要な点である。
書風・書法に関しては、5世紀の遺品はまだ木簡の筆法を伝えて隷意を強く残したものであり、6世紀の遺品は隷書風から楷書への過渡期とみてよい。7世紀は楷書体の完成の時期であるが、その後半である高宗の時代で咸亨2年(671)から儀鳳2年(677)にかけて書写された一群の「長安宮廷写経」と呼ばれる遺品が紙質や書体の上で最高の出来映えであることが確認できた。8世紀になると、ゆるやかな下降線をたどるが、後半以後になると、良質の筆や料紙が入手できなくなったと思われ、筆致と料紙の凋落ぶりが著しいのが特徴であることがわかった。

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Published: 1999-03-08   Modified: 2016-04-21  

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