1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08041118
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長澤 泰 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30217989)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BARUA Sanji Ministry of Local Gavament and Rural Dev, 専門職員
山下 哲郎 名古屋大学, 工学部, 助教授 (00239972)
岡 ゆかり 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20272362)
|
Keywords | 建築計画 / 病院 / 異文化 / 行動様式 / 医療施設 / 出産 / 分娩 / アジア |
Research Abstract |
昨年度まで行ったバングラデッシュ・スリランカでの途上国型「癒しの環境」研究は、バングラデッシュから研究協力員を招くことによって継続中である。平行して、今年度は先進国型の「癒しの環境」を探究した。療養環境をより純粋な形で文化・行動・居住環境の側面から観察するには、医療技術の影響は極力排除したい。よって、病ではない出産を例に採り上げる。本年度は調査対象に先進国・施設型のフィンランドを具体例とし選び、来年度行う先進国・在宅型のオランダでの事例と対比させる。 本年度はフィンランドでのフィールド調査を中心に行った。国土にまばらに分布する人口をカバーするために、地方都市では地域中核総合病院以外に医療を受ける選択肢はない。そのような現状下、大半の住民は出産場所を選ぶことはないものの、病院の中でより「家庭的な」環境をつくるように努力している。これは先進諸国でひとつの流れとなってきている、日々の生活の中で産む傾向にも即している。一方で、都市部の高機能病院志向も見られる。 フィンランドの調査から、周辺諸国から影響を受けやすい小国にとっては療養環境の選択行為も流行に押し流される場合があり、それは病室のしつらえから細かい分娩方法にまで、多岐にわたる。 同時に今年度すすめた文献調査では、おなじような小国でもオランダは歴史的に在宅分娩が盛んであり、周辺諸国への影響は大きなものである。 来年度にはこのオランダでの実例をもとに、途上国在宅分娩型から先進国在宅分娩型までの、社会変遷の中での癒しの環境モデルを構築する。
|
Research Products
(2 results)