1996 Fiscal Year Annual Research Report
中南米におけるリーシュマニア症とその伝播に関する研究
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08041177
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
橋口 義久 高知医科大学, 医学部, 教授 (10037385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
フラード M.H. グアヤキル大学, 医学部, 教授
ルンベア G. J. グアヤキル大学, 医学部, 教授
ラッソーS. R.F. グアヤキル大学, 医学部, 教授
E.A. ゴメス カトリカ大学, 医学部, 助手
丸野 元美 琉球大学, 医学部, 助手 (00264507)
松本 芳嗣 東京大学, 農学部, 助教授 (00173922)
是永 正敬 高地医科大学, 医学部, 助手 (00128274)
片倉 賢 慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (10130155)
原田 正和 香川医科大学, 医学部, 助手 (90127580)
細川 篤 琉球大学, 医学部, 講師 (10181497)
村主 節雄 香川医科大学, 医学部, 助教授 (00032897)
古谷 正人 高地医科大学, 医学部, 助教授 (00035437)
野中 薫雄 琉球大学, 医学部, 教授 (10039571)
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Keywords | エクアドル共和国 / 皮膚リーシュマニア症 / メファキン / アルテスネト / 治療 / 経口剤 / 皮膚生検 / 患者 |
Research Abstract |
本年度はエクアドル共和国の皮膚リーシュマニア症流行地において抗マラリア剤のメファキンやアルテスネート(プラスモトリム)による患者の治療をおこなった.治療開始前後に継時的に得られた皮膚生検材料に基づいて,寄生虫学的,分子生物学的,電顕病理学的検索を試み,以下のような生成を得た. 1.前年度に引き続き,メファキンやアルテスネートによるリーシュマニア症患者の治療を例数を増やして検討したところ,いずれも従来的50年にわたって使用されている注射薬のアンチモン剤よりも速効性でしかも副作用が極めて少ないことが確認された.また,これらの抗マラリア剤は経口投与できることから,リーシュマニア症のように医療機関がない地域で多く流行する疾患の集団治療薬としても有望であることが示唆された. 2.上記薬剤の動物実験や試験管内テスト,あるいは患者での局所療法などの結果から,メファキンには直接の殺リーシュマニア作用はないが,アルテスネートにはこの直接作用が認められ,両薬剤の生体における薬物動態や作用機序の解明が急がれるところである. 3.治療経過に伴なう抗マラリア剤の作用機序を調べるため,皮膚の生検材料を用いて電顕病理学的解析を試みたところ,治療開始前と後ではマクロファージやプラズマ細胞に著明な形態変化が観察された.しかし,現在のところこれらの形態的な変化が薬剤の直接作用によるものか,あるいは病巣部でのリーシュマニア原虫の消失に伴なう2次的なものかなどの点については不明であり,さらに検討中である. 4.AP-PCRやNested PCRなどの分子生物学的手法を用いて,患者の生検材料や組織切片からのリーシュマニア原虫の検出を試み,将来の本症の迅速診断や治癒判定のための基礎資料とした.また,これらの手法により患者から分離された病原虫種の同定を可能にした.
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 橋口義久: "皮膚リーシュマニア症" 皮膚科の臨床. 38・4. 547-556 (1996)
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[Publications] 橋口義久: "リーシュマニア症" 日本皮膚科学会雑誌. 106. 7-16 (1996)
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[Publications] Hashiguchi,Y.: "Leishmaniasis : its changing pattern and importance as an iported disease." Internal Medicine and Hygine. 35・6. 434-435 (1996)
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[Publications] Katakura,K.et al.: "Kargotype homogeneity of Leishmaia mexicana, a causative agent of cutaneous leishmaniasis in the Andes of Ecuador" Am.J.Trop.Med. & Hyg.56(発表予定). (1997)
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[Publications] Maruno,M.et al.: "Light microscopic and electron-microscopic study in patients with cutaneous leishmaniasis treated with mefloquine" Jap.J.Trop.Med. & Hyg.25(発表予定). (1997)
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[Publications] Hashiguchi,Y.(ed.): "Estudios sobre la Leishmaniasis en el Nuevo Mundo y su Transmision con Especial Referencia al Ecuador.No.2" Kyowa Printing Co.Ltd.Kochi,Japan, 148 (1996)
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[Publications] Hashiguchi,Y.(ed.): "Estudios sobre la Leishmaniasis en el Nuevo Mundo y su Transmision con Especial Referencia al Ecuador.No.3" Kyowa Printing Co.Ltd.Kochi.Japan(発表予定), (1997)
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[Publications] Hashiguchi,Y.(ed.): "Studies on New World ieishmaniasis and its transmission, with particula eference to Ecuador.No.5" Kyowa Printing Co.Ltd.Kochi,Japan (発表予定), (1997)