1996 Fiscal Year Annual Research Report
インド原典からの世界初「仏教論理学用語辞典」のための国際共同研究
Project/Area Number |
08044007
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
桂 紹隆 広島大学, 文学部, 教授 (50097903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HAYES Richar マギール大学, 宗教学部, 教授
TILLEMANS To ローザンヌ大学, 教授
KRASSER Helm オーストラリア学士院, 助手
ERNST Prets オーストラリア学士院, 助手
MUCH T.Micha ウィーン大学チベット学仏教学研究所, 助教授
ERNST Steink ウィーン大学, チベット学仏教学研究所, 教授
稲見 正浩 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (70201936)
小川 英世 広島大学, 文学部, 助教授 (00169195)
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Keywords | 仏教論理学用語辞典 / インド哲学 / ダルマキールティ / ジュニャ-ナシュリーミトラ / プラマーナ / ディグナーガ / ウィーン大学 / 広島大学 |
Research Abstract |
本研究は、インド原典に基づいて世界でも初めての「佛教論理学用語辞典」を作成することを目指している。今年度はまずその準備作業として、ウィーン大学のチベット学・仏教学研究所に研究組織全員が集合し、辞典の全体構想を検討すると同時に、佛教論理関係テキストのうちどれが電算機によって可読な状態になっているが、さらにどのテキストをどのような形で入力するかを検討した。その結果、最も重要な佛教論理学者であるダルマキールティのほぼ全作品は既に、筑波大学の小野基氏や、研究組織の一員であるウィーン大学のクラッサー氏によって入力済みであることが判明した。従って、今年度は主として広島大学において、後期佛教論理学の重要な学者であるジュニャ-ナシュリーミトラの全作品の入力を目指したが、ほぼその目的を果たしつつある。さらに、ダルマキールティの未入力テキスト、特に『プラマーナ・ヴィニシュチャヤ』第3章の入力を完了しつつある。今後さらに、主要な佛教論理学テキストの入力を継続して行い、いずれはCD-Rom化して、関係研究者に配付する予定である。また、一部は研究組織の一員であるロ-ザンヌ大学のトム・ティレマンズ氏のホーム・ページからインターネットを通じて世界に公開される予定でもある。次に、「佛教論理学辞典」に採録すべき項目の選定は、6月のウィーン大学での会合において、研究代表者から原案が提示されたが、その最終的な選定は、本年11月広島大学において開催する第2回の会合において行う予定である。最後に『ニヤーヤ・ビンドゥ』『タルカ・バ-シャー』などの複数の綱要書は研究代表者の手によって入力済みであり、それに基づいて最重要の佛教論理学用語の簡単な定義集が既に編集されている。これが今後完成される「佛教論理学用語辞典」の骨格となる予定である。
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