1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08044008
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
有本 章 広島大学, 大学教育研究センター, 教授 (00030437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽田 貴史 広島大学, 大学教育研究センター, 助教授 (90125790)
今井 重孝 広島大学, 大学教育研究センター, 教授 (80160026)
江原 武一 京都大学, 教育学部, 教授 (00012568)
山野井 敦徳 広島大学, 大学教育研究センター, 教授 (80019067)
栗本 一男 広島大学, 大学教育研究センター, 教授 (30263742)
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Keywords | 大学改革 / 外国大学 / 日本の大学 |
Research Abstract |
本研究の主たる目的はポスト大衆化段階とりわけ国際経済のリトレンチメント時代における関係各国の高等教育の改革を分析することにあるが、その枠組みとしてポスト大衆化段階の定義と改革の課題をどう捉えるかがきわめて重要であった。大衆化とポスト大衆化の区分、前者から後者への移行はトロウ・モデルに依拠して、その実証研究も各国によって区々であることが理解された。 各国の大学改革を分析してみると、きわめて共通の論理によって改革が進行せられていると解された。その共通の論理とは一言でいえばグローバル化、情報化、高度化、大衆化など世界的社会変動である。それと共に経済的な課題がきわめて大きく各国の大学組織のあり方を規定していた。規制緩和、民営化、自己責任、消費者主義、トップダウン方式の運営、授業料、研究費などいずれも経済問題が基底に絡んでいる。一方、各国独自の大学改革の方向性も見えた。その基底的な論理はドイツ方式かアメリカ方式かによって改革の方向性が規定されると言うことであろう。もちろん、シンガポールのように、両者が並立している場合もある。総じてドイツモデルからアメリカモデルへ、自国の独自性を踏まえながら展開しているように思える。その意味では作業仮説基本的枠組みと方向性は妥当であったと言える。最後に、今後の共同研究の展望として、各国の実態調査を後半の共同研究として展開することになっている。したがって、こうした作業仮説がどこまで検証できるか具体的な改革レベルで検討してみたい。
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Research Products
(14 results)
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[Publications] Akira Arimoto: "Academic Profession in Japan" The International Academic Profession. 149-190 (1996)
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[Publications] 有本 章: "ポスト大衆化段階の高等教育改革-日米比較の視点" 安田女子大学大学院博士課程開設記念論文集. 115-124 (1997)
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[Publications] Akira Arimoto: "Massification of Higher Education and Academic Reforms in Japan" RIHE International Seminnar Reports. No.10. 21-55 (1997)
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[Publications] 有本 章: "最近の高等教育改革提言と大学の対応" 季刊教育法-大学の使命-改革・評価の理念. 111号. 24-33 (1997)
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[Publications] Akira Arimoto: "Market and Higher Education in Japan" Higher Education Policy. Vol.10 No.3/4. 199-210 (1997)
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[Publications] 有本 章: "大学教授法研究の組織論的観点" 教育学研究. 64巻1号. 31-33 (1997)
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[Publications] Akira Arimoto: "Massification of Higher Education and Academic Reforms in Japan" Country Paper of Japan Presented to the Six-Nation International seminar on Academic Reforms in the Word. 31 (1997)
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[Publications] Akira Arimoto: "Decision-Making and Accountability in the Case of Japan" Paper Presented to the International Conference. 1-9 (1997)
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[Publications] Akira Arimoto: "Cross-National Study on Post-Massification Academic Organizational Development" Paper Presented to Six-Nation Education Project. 15 (1997)
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[Publications] 山野井 敦徳: "大学の自己革新の現状と課題" 高等教育研究叢書. 50号. 51-59 (1998)
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[Publications] Akira Arimoto: "The Carnegie Foundation for the Advancement of Teaching" TheInternational Academic Profession : Portraits of Fourteen Countries. 762 (1996)
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[Publications] Akira Arimoto: "広島大学大学教育研究センター" RIHEInternational Seminar Reports. No.10. 303 (1997)
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[Publications] 有本 章: "広島大学大学教育研究センター" 高等教育研究叢書 『ポスト大衆化段階の大学組織変容に関する比較研究』. 46号. 306 (1997)
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[Publications] Akira Arimoto: "UNESCO and Carland" Research on Higher Education at the Turn of the New Century : Structures, and Trends. 371 (1997)