1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08044033
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
森田 洋司 大阪市立大学, 文学部, 教授 (80086181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HOWKINS Davi 米国 ワシントン大学, 社会事業学部, 教授
CATALANO Ric 米国 ワシントン大学, 社会事業学部, 教授
JUNGERTAS Jo オランダ ライデン大学, 法学部, 教授
OLWEUS Dan ノルウェー ベンゲン大学, 健康増進研究センター, 教授
SMITH Peter 英国 ロンドン大学ゴールドスミス校, 心理学部, 教授
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Keywords | いじめ / 校内暴力 / 国際比較 / 自己申告 / イギリス / ノルウェー / オランダ / アメリカ |
Research Abstract |
いじめ/校内暴力の実態把握のための国際比較を目的とした自己申告標準質問票を開発し、4カ国において小学校5年生から中学校3年生を対象に調査を実施した。 調査結果からは次の知見を得た。いじめ被害経験率では、イギリスが39.4%、オランダ27.0%、ノルウェー20.8%、日本13.9%であり、まず、いじめが日本だけに起こりうるのではないことが確認された。比率から見れば日本の経験率がもつとも小さいが、高頻度長期被害者(週に1回以上といった高頻度でいじめられ、かつ、1学期以上という長期にわたっていじめられた経験をもつ児童生徒)の被害経験者の中に占める割合を国際比較すると、日本が17.8%、ノルウェー17.4%、オランダが11.8%、イギリスが12.5%となる。日本のいじめが深刻なものが多いことをうかがえる。 日本のいじめの特徴は、無視・仲間はずれの手口が相対的に多く(とくに女子)、教室で頻繁に発生し、主に同じクラスの人からいじめられることである。たとえば、オランダでは犯罪型のいじめが多く見られるなど、国によって、いじめの特徴は異なっている。 今日、海外のいじめ防止対策が数多く日本に翻訳・紹介されているが、いじめの性質が違う以上、ある国での成功例を単純には日本に導入できない。国際比較に基づいて文化的背景をも考慮した上で、海外での事例を研究しなければならない。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Morita,P.K.Smith et al.: "The Nature of School Bullying" Routledge, London, 384 (1999)
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[Publications] 森田洋司総監修: "世界のいじめ-各国の現状と取り組み" 金子書房, 463 (1998)