1996 Fiscal Year Annual Research Report
3次元ポジトロンエミッショントモグラフィーを用いたヒト脳の神経伝達の研究
Project/Area Number |
08044235
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷内 一彦 東北大学, 医学部, 助教授 (50192787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FROST James ジョンスホプキンス大学, 医学部, 教授
GREEN Jack P マウントサイナイ医科大学, 教授
福井 裕行 大阪大学, 医学部, 助教授 (90112052)
伊藤 正敏 東北大学, サイクロトロンRIセンター, 教授 (00125501)
渡邉 建彦 東北大学, 医学部, 教授 (70028356)
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Keywords | ポジトロン / PET / 神経伝達 / ヒスタミン / 脳賦活試験 / ヒト脳 / 薬物受容体 / 3次元 |
Research Abstract |
本研究助成を受けて、3次元PETを用いたヒト個体レベルの研究を中心におこなった。東北大学グループは3次元データ収集PET(3次元PET)を日本で初めて製作し研究に用いている。3次元PETは3次元方向全てに由来する消滅γ線を捕らえることで、今までのPETと異なり感度が10倍以上良くなり、それに伴ってシグナル/ノイズ比が改善する。本研究の一部は新しく導入された3次元データ収集PETを用いておこなった。[^<11>C]ドキセピンの3次元データ収集と2次元データ収集の比較を正常ボランティアを用いて行った。[^<11>C]ドキセピンを約10-15mCi(370-555mBq)投与後80分まで2次元PETにより脳の放射能を測定し、その後10分間3次元PETにより脳の放射能を測定し比較した。3次元データ収集法によるヒスタミンH1受容体の画像は、2次元データ収集法と比較して明らかに画質がよくしかもノイズの少なかった。現在3次元PETを用いて頻回の認知課題遂行時の脳血流量の変化を測定している。このような脳賦活部位の同定にstatistical parametric mapping(SPM)を用いるが、ジョンスホプキンス大学との共同にて行い、現在進行中である。またリガンド脳賦活試験を用いたヒト脳における内因性神経伝達物質の遊離をPETを用いて測定することを試みている。痴呆脳研究ではアルツハイマー病の6症例と年齢・性の一致している正常ボランティアにおいて、[^<11>C]ドキセピンと2次元PETを用いてヒスタミンH1受容体を測定した。6症例のうち初期の1症例を除いて5症例において大脳皮質の顕著なH1受容体結合能の低下が認められた。現在脳脊髄液中のヒスタミン含量を測定して、比較することを試みている。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 渡邉建彦、福井裕行、谷内一彦: "ヒスタミン受容体" 「蛋白質、核酸、酵素」増刊号「脳における情報伝達」. 42巻(NO.3). 327-334 (1997)
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[Publications] 谷内一彦: "ヒト脳・ヒスタミンH_1受容体のPETによる解析" 医学のあゆみ. 180(NO.2). 107-111 (1997)
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[Publications] 渡邉建彦、谷内一彦: "ヒスタミン受容体:第二世代H_1ブロッカーは何故非鎮静性か?" 薬局. 48(NO.1). 39-45 (1997)
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[Publications] 谷内一彦: "ポジトロン標識リガンドを用いたヒト神経伝達の画像化:その基礎開発と応用" 日本薬理学会雑誌. (印刷中). (1997)
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[Publications] 谷内一彦、樋口真人、伊藤正敏、渡邉建彦: "PETによる脳機能測定、インビボレセプターマッピング" ブレインサイエンス. 7巻. 155-164 (1996)
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[Publications] I Inoue,K.Yanai,et al.: "Impaired locomotor activity and explcratoy beharior inmice lacking histamine H,receptces." Proc. Natl. Acad Sci.93巻. 13316-13320 (1996)
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[Publications] 渡邉建彦、谷内一彦ほか: "神経伝達物質-受容体の分子機構と病態" メジカルビュー社, (1996)
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[Publications] 谷内一彦ほか: "医系薬理学" 中外医学社, (1997)