1996 Fiscal Year Annual Research Report
抗体のクラススイッチの分子機構解明に関する共同研究
Project/Area Number |
08044279
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
近藤 滋 京都大学, 医学研究科, 講師 (10252503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
COHN Melvin 米国, ソーク生物学研究所, 教授
本庶 佑 京都大学, 医学研究科, 教授 (80090504)
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Keywords | 抗体 / アイソタイプ / 遺伝子 / 組み換え / B細胞 |
Research Abstract |
1.非常に高い効率でスイッチ組み替えを起こす細胞系の確立 複雑な生命現象を分子レベルで解析する場合、in vitroのシステムを確立することが重要である。クラススイッチを起こす細胞株はいくつか報告されているが、いずれもその効率はかなり低く、詳しい分子的解析には不向きであった。そこで我々は、高い効率で、安定してクラススイッチを起こす細胞を得る目的で、CH12.LX細胞に繰り返しシングルセルアイソレーションを行った結果、従来の約10倍の効率でクラススイッチを安定して誘導できる極めて優れた実験系を開発することができた。 2.組み替えのおきる正確な部位の特定 従来、ミエローマ等をつかって組み替え部位の解析が行われていたが、その場合、二次的な組み替えが関与している可能性があったため、正確な部位の特定ができているとは言い難かった。組み替え部位の特定は分子機構を探る上で再重要な情報である。CH12細胞をつかって組み替え部位の解析を行えば、組み替えの誘導から短時間でDNAの解析が行えるため、正確な(2次的組み替えの可能性のない)情報が収集できる。この考えに基づき、組み替え部位のDNAを200以上単離した。その結果、以下の意外な事実が判明した。 1)遺伝子の組み替えは、従来考えられていたS領域以外の周辺領域でも、かなり活発におこっている。 2)組み替えの起きる位置の上流の上限はgermline transcriptのスプライシング部位あたりであった。 この2つの情報は従来のモデルの妥当性に関し、強く疑問を投げかけるとともに、新しいモデル構築の基礎となる可能性が大きい。 3.スイッチ組み換え誘導時に発現する遺伝子の単離 組み換えを誘導した細胞特異的に発現する遺伝子を、サブトラクション法で2種類クローニングすることに成功した。現在その遺伝子が組み換えに本当に関与しているかについて解析中である。
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Research Products
(2 results)