Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KAFKAFI Uzi ヘブライ大学, 農学部, 教授
井上 光弘 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 助教授 (90032309)
玉井 重信 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (60026606)
稲永 忍 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (40124664)
矢野 友久 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (80032085)
神近 牧男 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (20032310)
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Research Abstract |
ヘブライ大学農学部,ポルカニセンター土壌・本研究所,ベングリオン大学ブラウステン砂漠研究所の関連研究者を訪問し,植物の水吸収に及ぼす無機塩類の影響に関する研究成果を調査した.それらの結果の概要は次の通りである.まず,土壌水中に塩分が存在する場合の水ストレスとして,永久萎れ点に相当するNaCl溶液濃度以上の濃度で生育する植物があることから,塩生植物では,イオンを取り込み,浸透調節を行うと考えられる.しかし,植物の種類によってその機能は異なる.次に,過剰イオンの体内代謝阻害の中で水吸収に関連するものとして,光合成への影響があげられるが,NaやClの影響について,異なった見解が報告がある.高NaCl濃度条件下における他イオンの吸収阻害について,N,P,Kの吸収に対する影響は植物の成育に関連するため,水吸収に関連することは明らかであるが,植物間での違いなどは明確になっていない.従来の吸水モデルは単に土壌の水ポテンシャルに浸透ポテンシャルを加えただけのものであり,植物体内の水ポテンシャルに対する浸透調節を考慮した吸水モデルの確立が望まれる. ネゲブ砂漠の気候は,地理的に変化が激しく,北部は年降水量が350〜500mm,南部死海,エラート付近では50〜100mmである.これに伴い植生も変化し,さらに緑化・造林樹種も異なる.自然環境下で生育する樹木を乾燥,養分,塩性土壌などに関する耐性を生理的につけ,用いることは非常に困難である.イスラエルのこの地域では,逆に樹木の生育環境,特に土壌の微環境を改良することによる緑化・造林を試み成功している.降雨時の地表流出を最大限に利用して果樹,観葉植物を含めた緑化を行っている.これに上記の耐性に対する種特性を育苗段階から考慮して行い,そのメカニズムが明らかになった.
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