1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08102009
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
相沢 慎一 熊本大学, 医学部, 教授 (60073011)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植木 龍也 熊本大学, 医学部, 助手 (10274705)
松尾 勲 熊本大学, 医学部, 助手 (10264285)
倉谷 滋 熊本大学, 医学部, 助教授 (00178089)
|
Keywords | 0tx2 / 0tx1 / Emx2 / Emx1 / 中枢神経堤細胞 / シスエレメント / ヤツメウナギ / 頭部形態形成 |
Research Abstract |
前年度迄に0tx2遺伝子は嚢胚期ヘッドオヘガナイザー因子として働き、ロンボメア-3より吻側の頭部形成に必須の役割をはたすこと、引き続く咽頭胚期中脳背側部、及び第2次前脳最吻側部の形成に必須の役割を果たすことを変異マウスの作成・解析により明らかにした。中脳背側部に由来する主な構造は神経堤細胞で、中脳神経堤細胞は脊椎動物での頭部の進化・形成に重要な役割を果している。そこで本年度は 1)0tx2遺伝子の中脳神経堤細胞での発現を規定するシスエレメントの同定を試みた。lacZ遺伝子をレポーター遺伝子としてトランスジェニックスマウス胚を作成し、マウスとフグゲノムで保存されているシスエレメントを探索することにより、Snail,bHLH因子のコンセンサス結合配列の他に3つの未知配列を同定した。 2)0tx2発現領域のうち0tx2変異により異常の認められなかった領域で同時に発現する0tx1の変異マウスを作成・解析し、また、0tx2/0tx1ダブル変異マウスを作成・解析して、終脳、間脳、中脳の発生に両遺伝子は相乗的に働くことを明らかにした。ダブル変異の異常の起源については更に詳細に解析中。 3)Emx2変異マウスを作成・解析し、Emx2遺伝子は終脳背側部で大脳半径と天井板の境界決定に働き、原皮質の形成に必須であることを明らかにした。更に、Emx1変異マウスを作成・解析し、また、Emx2/Emx1ダブル変異マウスを作成・解析し、Emx2とEmx1の発現が重なる他の終脳領域の形成に、両者は相補的に必須の役割を果していることを明らかにした。ダブル変異の異常の起源については更に詳細に解析中。 4)ヤツメウナギで0tx他頭部形成に働くと想定される遺伝子を同定し、その発現の解析を進めた。また、レチノイン酸処理による頭部形成異常の解析を進めた。 その他の事項についても、ほぼ順調に研究を進行させることが出来た。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] Takamiya,K.et al.: "Mice with disrupted GM2/GD2 synthase gene lack complex gangliosides but exhibit only subtle defects in their nervous system." Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 93. 10662-10667 (1996)
-
[Publications] Tanaka,N.et al.: "Cooperation of teh tumour suppressors IRF-1 and p53 in response to DNA damage." Nature. 382. 816-818 (1996)
-
[Publications] Hamasaki,K.et al.: "Src Kinase Plays an Essential Role in Integrin-Mediated Tyrosine Phosphorylation of Crk-Associated Substrate p130CAS." Biochem.Biophys.Res.Commun.222. 338-343 (1996)
-
[Publications] Araki,K.et al.: "Meiotic Abnoralities of c-mos Knockout Mouse Oocytes : Activation after First Meiosis or Entrance into Third Meiotic Metaphase." Biology of Reproduction. 55. 1315-1324 (1996)
-
[Publications] Suda,Y.et al.: "Otx1 function overlaps with Otx2 in development of mouse forebrain and midvrain." Genes ro cells. 1・11. 1031-1044 (1996)
-
[Publications] Yoshida,M.et al.: "Emx1 and Emx2 functions in development of dorsal telencephalon." Development. 124. 101-111 (1996)
-
[Publications] 相沢慎一: "哺乳動物での遺伝学・発生工学生物の科学 遺伝 別冊8号「生物科学の現状と展望」" 裳華房, 10 (1996)
-
[Publications] 相沢慎一(松村正実、谷口維紹編): "発生生物学的方法論:形質転換動物 医科分子生物学;改定第3版" 南江堂, 12 (1997)