1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08211251
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三町 勝久 九州大学, 大学院・数理学研究科, 助教授 (40211594)
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Keywords | QKZ方程式 / Macdonald多項式 / 積分表示解 / 固有値問題 / 有理函数解 / 内積値予想 / ダンクル作用素 / 再生核公式 |
Research Abstract |
研究代表者はジャック多項式及びそのq-類似であるところのマクドナルド対称多項式(正確にはそのA型)の具体的な積分表示に既に成功していた。本年度はこれを出発として、QKZ方程式、マクドナルドの作用素に付随する固有値問題などを、積分を軸として多角的に考察することを目標にしていた。その具体的成果は次の通りである。 1)Cherednikの意味でのルート系A型に対するQKZ方程式の積分表示解を与えた。しかし、積分領域たるサイクルに関する議論は先延ばしにしてあり、その意味で正確にいえば、ある種のコホモロジークラスにおける解を与えたことになっている。サイクルに関する具体的な考察は今後の課題である。文献1。 2)1)のQKZ方程式の積分表示解の議論から、マクドナルド作用素の固有函数の積分表示解(これも上述の意味)の予想を得ていたがそれに関する証明を野海正俊氏との共同研究により二通り与えた。これによりマクドナルドの作用素に付随する固有値問題を積分を通して議論することが可能になった。文献2。 3)2)で与えた積分表示の積分領域を考察することにより、マクドナルドの作用素に付随する固有函数の有理函数解を抽出した。このことから直ちにQKZ方程式の有理函数解が得られる。特殊な場合にワイルの指標公式を含んでいることから、逆にその一般化と見なすことができるものである。(論文準備中) 4)マクドナルド対称多項式の積分表示における積分領域を漸近解析の感覚を頼りに考察することで、マクドナルド対称多項式の内積値を計算してみせた。これはマクドナルドの内積値予想(正確にはそのA型)と呼ばれるていたもので、それの別証を与えたことになっている。文献3。 5)マクドナルド対称多項式はダンクル作用素の固有函数として捉えることもできるが、逆にダンクル作用素の固有函数には対称でない多項式も含まれる。これがマクドナルド非対称多項式である。代表者はこの多項式に関する再生核公式を野海正俊氏との共同研究により導いた。文献4。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Katsuhisa Mimachi: "A solution to quantum Knizhnik-Zamolodchikov equations and its application to eigenvalue problems of Macdonald type" Duke Math.J.85. 635-658 (1996)
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[Publications] Katsuhisa Mimochi and Masatoshi Noumi: "An integral representation of eigenfunctions for Macdonald's q-difference operators" Tohoku Math.J. (to appear).
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[Publications] Katsuhisa Mimachi: "A new derivation of the inner product formula for the Macdonald symmetric polynomials" Comp.Math.(to appear).
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[Publications] Katsuhisa Mimachi and Masatoshi Noumi: "A reproducing kernel for nonsymmetric Macdonald polynomials" Duke Math.J. (to appear).