1996 Fiscal Year Annual Research Report
時間的情報を考慮したニューラルネットモデルの学習に関する基礎的研究
Project/Area Number |
08238205
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡部 洋一 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (50011169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 克成 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (10260522)
北川 学 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (30110711)
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Keywords | ニューラルネットワーク / 時系列 / モデレ-ショニズム / パルス伝送 |
Research Abstract |
本研究では、ネットワークの振動現象における振動振幅および周波数情報の、モデレ-ショニズムによる学習、および、時間スケールとして、より微視的なパルス時系列の時間相関情報の学習について研究を行っている。 モデレ-ショニズムとは、生体は適当なレベルの入出力信号を好みそのレベルに近い入出力信号を築くように学習するとしたフィードバック学習の一種であるが、さらに環境の変動を積極的に利用する方向に改良した、振幅に対するモデレ-ショニズムを提案した。この信号振幅モデレ-ショニズムを用いて、自己結合などのフィードバック結合を有するニューロンを含むネットワークに関してフィードバック結合の効果を検討し、さらに自励発振しうる回路に外界から信号が注入された場合の挙動について、シミュレーション解析を行った。結果として、自励発振が可能なネットワーク構成を示し、そのネットワークに対して外界からの信号を注入した場合、微小入力時にはネットワーク自身の自励周波数で発振し、信号強度を増加するにしたがって、外部周波数に引き込まれることを示した。さらに外部周波数に引き込まれたネットワークは、外部入力を遮断した後にも、外部入力周波数で発振することを示した。 より短期の時間スケールにおけるパルス時系列に対する、時間相関学習について提案を行った。ニューラルネットワークにおいてパルス列伝送を考えた場合、複数のパルス列の自己あるいは相互相関関数によって、情報を表現することが可能である。これらのパルス列の時間相関に表現された情報をネットワークに記憶させるために、最急降下学習およびトポロジカル・マッピング学習を行った。結果として、2系列に対する相関について最急降下学習によって、さらに3系列以上の相関についてトポロジカル・マッピングによって学習が可能であることを示した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 浅野吉宏: "モデレ-ショニズムに基づく振幅信号の学習" 信学技報.
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[Publications] 市瀬夏洋: "パルスニューラルネットワークにおける相関コーディングとディレイ適応" 日本神経回路学会誌.
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[Publications] 市瀬夏洋: "相関コーディングにおける自己組織化" 日本神経回路学会第7回全国大会講演論文集. P1-23. 100-101 (1996)
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[Publications] 掛谷英紀: "系列の連想におけるニューロウィンドウ法" 日本神経回路学会第7回全国大会講演論文集. P3-5. 255-256 (1996)
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[Publications] 掛谷英紀: "論理関数をBP学習した多層パーセプトロンの中間層発火率" 日本神経回路学会第7回全国大会講演論文集. P1-22. 98-99 (1996)
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[Publications] 林秀樹: "ニューラルネットワークにおける振動生成のメカニズム" 信学技報. (1996)