1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08301011
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
鹿又 伸夫 北海道大学, 文学部, 助教授 (30204598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
与謝野 有紀 奈良大学, 社会学部, 助教授 (00230673)
平田 暢 福岡大学, 人文学部, 助教授 (10238363)
野宮 大志郎 北海道大学, 文学部, 助教授 (20256085)
織田 輝哉 慶応義塾大学, 文学部, 助教授 (20276421)
稲葉 昭英 東京都立大学, 人文学部, 専任講師 (30213119)
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Keywords | ブール代数 / 質的比較 / 事例分析法 / 質的分析法 / 演繹的モデル / 真理表データ |
Research Abstract |
1.異なる分野の調査データに適用するという研究目的については、歴史社会学、社会運動論、組織社会学、社会心理、社会行動などにかかわるデータの分析を行った。具体的には、農民暴動、ボランティア団体、社会的属性と意識、援助行動、携帯電話への不快感、出産意向などの分析をおこない、プール代数アプローチが多様な分野およびテーマに応用可能であることを示した。 2.調査方法の異なるデータヘ適用するという研究目的については、事例データのみでなく、歴史的資料データ、既存データのメタ分析、クロス表データ、ヴィネット調査データ、手紙データなど多様な調査データヘの応用方法を提示し、プール代数アプローチを様々な調査データヘ応用可能にした。 3.理論の定式化および理論比較への適用という研究目的については、演繹的に理論モデルを構築する手法によって、役割概念を理論的に再定式化する成果が得られた。そこでは、役割の階統性・可視性による役割構造分析という、役割理論にたいする新たな分析を提示した。 4.数理モデルとして拡張するという研究目的については、論理演算の明示化、確率モデルとの比較、真理表データの2値化基準の検討などを行い、数理モデルとして拡張していくための基礎的検討を行った。これらでは、データの多様性の欠如や、矛盾のある行などの方法論的問題にたいする対処策を提示した。 以上のように本研究では、方法論的な基礎的検討(上記4.)、発展的応用方法の開発(上記2.および3.)、そして実質的研究への応用(上記1.)を行った。とくに実質的研究へ応用にかんしては、意識や行動における主観的論理や主観的状況定義にブール代数分析が有効であることがわかった。
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Research Products
(2 results)