1998 Fiscal Year Annual Research Report
日本語音声のIPA(国際音声記号)表記に関する総合的研究-制定への基準作成を求めて-
Project/Area Number |
08301045
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
壇辻 正剛 京都大学, 総合情報メディアセンター, 教授 (10188469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新保 仁 茨城大学, 工学部, 助手 (90311589)
堂下 修司 京都大学, 情報学研究科, 教授 (00025925)
梅崎 太造 中部大学, 工学部, 助教授 (40193932)
大西 雅行 獨協大学, 外国語学部, 教授 (40049581)
土岐 哲 大阪大学, 文学部, 教授 (10138662)
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Keywords | IPA / 国際音声字母 / 日本語音声 / フォルマント / 調音位置 / 調音法 |
Research Abstract |
日本語音声に対するIPA(the International Phonetic Alphabet,国際音声記号、国際音声表記、国際音声字母、国際音標文字)表記の基準制定の研究を推進するために必要な分析対象の言語音声データの収集、編集を継続して行った。既存の音声データベースを活用すると共に、独自に収集、編集を行った。日本語音声のIPA表記の基準化・制定を進める上で最も障害となる問題点の一つである、アンケート調査の結果の相違の著しかった日本語音声を対象に、精緻な音響分析を施し研究の進展を図った。また、比較検討のため、他の諸言語の音響分析も行った。前年度までの調査の結果、不一致の著しかったIPAの精密表記を対象に、各側面から詳細な研究を推進した。精密表記の問題の研究を推進するに当たり、音声データの共有化や標準化を目指して、音声入力と音声出力を合わせて、デジタルとアナログの両者に対応可能で、音声分析、音声合成等を管理統合する音声インターフェースの構築の研究を行った。また、日本語教育や障害者教育など教育の現場にどのようにIPA表記の問題を活用していくのかを各側面より検討した。その成果の一部をコンピュータ支援型語学教育システムの開発に導入することが可能になった。舌の最高点の前後位置や高低位置、開口度、唇の形状等の表現とフォルマント情報との再構成をコンピュータ上で再現する研究を推進した。さらに、音声合成や音声認識など音声情報処理の分野にIPA表記の問題を導入し、日本語の合成音の記述、表記に関して基準を提供した。音声認識に関しては、特定言語にとらわれない記号系の利用としてIPAを利用する研究を進めるなど、各分野の研究の進展とIPAの応用に新しい側面から視点を与える研究を推進した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 壇辻正剛: "言語学や音声学における音響分析と教育" 日本音響学会誌. 55・3. 193-198 (1999)
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[Publications] 曹哲鎬,河原達也,堂下修司,壇辻正剛: "調音位置・調音方式の識別に基づく発音学習システム" 電子情報通信学会技術研究報告. SP98-7. pp.47-54 (1998)
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[Publications] C.H.Jo,T.Kawahara,S.Doshita,and M.Dantsuji: "Automatic pronunciation error detection and guidance for foreign language learning" Proc.Int'l Conf.on Spoken Language Processing. 2639-2642 (1998)
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[Publications] H.Hayagoshi,M.Dantsuji: "A Study of Phonetic Description for Japanese Speech Corpus" Proc.Int'l Conf.on Speech Processing. 341-346 (1998)
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[Publications] 土岐 哲: "アクセントの下げとイントネーションの下げ" 阪大日本語研究. 10. 53-66 (1998)
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[Publications] Satoshi TOKI: "The Remnants of Japanese Phonology in the Micronesian Chuuk" Memoirs of the Faculty of Letters,Osaka Univ.XXXVIII. 25-48 (1998)
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[Publications] 玉村文郎編,壇辻正剛,土岐哲 他: "新しい日本語研究を学ぶ人のために" 世界思想社, 306 (1998)