1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08305015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 総合 |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宇佐美 勉 名古屋大学, 工学部, 教授 (50021796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 章典 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (70164176)
杉浦 邦征 京都大学, 工学部, 助教授 (70216307)
後藤 芳顕 名古屋工業大学, 教授 (90144188)
北田 俊行 大阪市立大学, 工学部, 教授 (30029334)
家村 浩和 京都大学, 工学部, 教授 (10026362)
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Keywords | 橋梁システム / 耐震設計 / 残留変位 / 復旧 / 免震支承 / 機能保持 / 損傷度 / 崩壊 |
Research Abstract |
兵庫県南部地震では多くの橋が崩壊し,幹線道路が長時間使用不能になり,救援活動,災害復旧活動の妨げになった.このことから,都市内の重要高架橋などに関しては,大地震時に落橋の防止は当然として,さらに損傷は許すが機能を保持させる耐震設計法の考えが生まれてくる.しかし,機能保持の照査を明確に規定した耐震設計法は世界にまだない.この研究では,このような設計法を終局・機能保持耐震設計法と称し,その指針案を作成する. 種々議論の末,高架橋の機能保持を照査するためには,大地震後の橋脚の残留変位をある範囲内に納めることが最も合理的であろうという結論に達した.そのために,構造物を最重要構造物(R1),重要構造物(R2),その他の構造物(R3)の3種類に分類し,3種類の想定地震動(中小地震(L1),海洋型の大地震(L2a),直下型の大地震(L2b))に対して,許容損傷度マトリックスを与えた.例えば,R2構造物に対しては,L1地震に対して無損傷,L2a地震動に対して数日以内の復旧可能な損傷,L2b地震動に対して2週間から2ケ月の復旧期間を要する損傷を許容する.そして,復旧期間に応じて,残留変位許容値を定めた.例えば,数日以内の復旧に対しては,橋脚高さの1/300以内である. 今後の検討課題は以下のようである. (1)残留変位の推定法. (2)残留変位の低減方法. (3)免震支承を持つ橋脚の損傷及び残留変位の推定方法. (4)橋梁システムの機能保持設計法の確立.
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