1997 Fiscal Year Annual Research Report
GC含量の異なるアルファヘルペスウイルスにおける突然変異の比較研究
Project/Area Number |
08306017
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大塚 治城 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80261957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 俊治 農林水産省, 家畜衛生試験場, 研究員
遠矢 幸伸 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (20180119)
見上 彪 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20091506)
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Keywords | GC含量 / CHV / 相同組み換え / BHV-1 / PRV / HSV-1 / チミジレキナーゼ / 糖タンパク |
Research Abstract |
前年度の研究によりアルファヘルペスウイルス亜科に属するウイルスでGC含量が低い(32%)イヌヘルペスウイルス(CHV)のゲノムに外来の遺伝子を相同組み換えにより導入する方法を確立した。その方法を用いて、CHVゲノムにGC含量が高いウシヘルペスウイルス1型(BHV-1)、オーエスキー病ウイルス(PRV)、ヒト単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)のそれぞれのチミジンキナーゼ(TK)遺伝子(GC含量約70%)を組み込んだ組み換え体を作出した。これらの組み換えCHVはチミジンキナーゼを発現することからIDU,Aralあるいはacyclovir等の薬剤による増殖阻害を受ける。組み換えCHVを2サイクルのIDU選択を繰り返すことにより外来チミジンキナーゼ遺伝子に突然変異を持つ株を多数得ることができた。さらに同様の方法で野性型のCHVから固有のTK遺伝子に突然変異をおこした株も得ることが出来た。今後は得られた変異株のTK遺伝子の配列を解析することにより、GC含量の低いCHVに組み込まれた高GCのTK遺伝子が、低GCに向かうような突然変異をおこし易くなるかを検討してゆく。 CHVは宿主特異性が高くイヌ由来の細胞以外ではほとんど増殖をしないことが知られている。一方PRVはin vitroでの宿主域は比較的広く、多くの種類の培養細胞中で増殖をする。PRVの種々の糖タンパクの遺伝子をCHVのゲノムに組み込んだところPRVのプロモータはCHVの中で機能し,PRVの糖タンパクが発現していることが明らかになった。今後はCHV内で発現しているPRV由来の糖タンパクがCHVの宿主特異性にどのような影響を及ぼすかを検討してゆく。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Xuan,X., Nishikawa,Y.et al.: "Rapid ckonstruction of canine herpesvirus vector expressing foreign genes using a LacZ-TK gene cassette as a double selectional morker" Virus. (in press). (1998)