1998 Fiscal Year Annual Research Report
野生げっ歯類を病原巣とする人畜共通伝染病の診断法、予防法および疫学に関する研究
Project/Area Number |
08306018
|
Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高島 郁夫 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 教授 (30002083)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 務 麻布大学, 環境保健学部, 教授 (50239159)
森田 千春 酪農学園大学, 酪農学部, 教授 (50072369)
金子 賢一 東京農工大学, 農学部, 助教授 (30109508)
有川 二郎 北海道大学, 医学部, 教授 (10142704)
苅和 宏明 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 講師 (70224714)
|
Keywords | 野生げっ歯類 / 人畜共通伝染病 / 病原巣動物 / 疫学 |
Research Abstract |
1. ダニ媒介脳炎の成績:ウマ、イヌおよび野ネズミの血清を用いた疫学調査を実施したところ、ウイルスの汚染地は道南の4支庁を中心に広範に分布していることを明らかにした。 ダニ媒介脳炎の患者発生地区で採集したヤマトマダニ600匹から2株めウイルス分離に成功した。さらに、エゾアカネズミ11匹中1匹とエゾヤチネズミ79匹中1匹からダニ媒介性脳炎ウイルスを分離した。先に犬から分離したダニ媒介脳炎ウイルスのOshima株の病原性をマウスモデルで検討したところ、本ウイルス株はダニ媒介脳炎ウイルスに共通する神経侵襲性を示した。オーストリア産のダニ媒介脳炎ウイルスワクチンはOshima株に有効なことがマウスの実験感染とヒトの中和抗体産生で証明された。 2. ハンタウイルス感染症の成績:遺伝子学的手法を用いたハンタウイルスの血清診断法を確立するために、バキュロウイルス発現ハンタウイルス組み換え蛋白を用いたELISA法を開発し、実験用ラットを対象としたスクリーニングテストとして実用化した。 3. Q熱の成績:Q熱リケチア(Coxiella burnetii)の日本分離株は、16SrRNAの塩基配列が株間で99.4%と高い相同性を示し、これらは1属1種であることが確認された。さらに野外にはモルモットに対して病原性の異なるI相菌が存在することが明らかになった。 4. その他の人畜共通伝染病の成績:エルシニア属菌、サルモネラ属菌、紅班熱リケッチアに野ネズミが高率に汚染していることが明らかになった。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Takashima,I. et.al.: "A case of tick-borne encephalitis in Japan and isolation of virus." J.Clin.Microbiol.35. 1943-1947 (1997)
-
[Publications] Takeda,T. et.al.: "Isolation of tick-borne encephalitis virus from Ixodes ovatus (Acari : Ixodidae) in Japan." J.Med.Enromol. 35. 227-231 (1998)
-
[Publications] Takahashi,I. et.al.: "Epidemiology of tick-borne encephalitis in Japan." Comp.Immunol.Microbiol.Infect.Dis.21. 81-90 (1998)
-
[Publications] Chiba,N. et.al.: "Pathogenicity of tick-borne encephalitis virus isolated in Hokkaido, Japan in mouse model." Vaccine. 17. 779-787 (1998)
-
[Publications] Kariwa,H. et.al.: "Modes of Seoul virus infection : persistency in newborn rats and transiency in adult rats." Arch.Virol. 143. 15-24 (1998)
-
[Publications] Matsuzawa, T.et.al.: "Identification of rickettsiae isolated in Japan as Coxiella burnetii by 16S rRNA sequencing." Int.J.Syst.Bacteriol.47. 883-884 (1997)