1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08307017
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Section | 総合 |
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
西野 瑞穂 徳島大学, 歯学部, 教授 (90029976)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小椋 正 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (00059362)
中田 稔 九州大学, 歯学部, 教授 (40014013)
吉田 定宏 朝日大学, 歯学部, 教授 (40076005)
赤坂 守人 日本大学, 歯学部, 教授 (30059505)
小口 春久 北海道大学, 歯学部, 教授 (30124689)
|
Keywords | 食生活 / 食べ方 / 生活環境 / 咀嚼機能検査 / 咬合接触面積 / 咬合圧 / 咀嚼時間 / 咀嚼回数 |
Research Abstract |
研究Iは、3歳から15歳までの小児の食生活、食べ方、生活環境調査を全国レベルで実施し、これにより我が国の小児の食に関する実態を明らかにする目的で行った。調査対象は29歯科大学・大学歯学部を受診した3歳〜15歳各年齢男女5〜6人で、調査期間は平成8年6月、7月の2カ月間であった。結果の一部を示すと次のとおりである。一般に、飽食の時代のため子供達は空腹感がなく食欲がないとよく言われるが、実際には増齡とともに食欲は増し、13〜15歳児で朝食を食べない児の約60%は時間がないからと答えている。また一日の食事時間の中で最もゆっくりと時間をかけて食べる夕食においてすら、13〜15歳児では10〜20分で食べ終えるというものが14%もいることは注目すべきことである。食事中テレビをつける家庭が約50%にも達し、家族でおしゃべりしながら食べる割合が増齡と共に急降下することにも注目する必要がある。硬い食品、弾性食品、あるいは野菜など食品の種類による好き嫌いは増齡的に改善されるので、20〜30%の児を除きあまり心配する必要はないと考えられる。 研究IIは、小児の咀嚼機能検査を全国レベルで実施し、その基準値を得ることを目的として行った。調査対象は19歯科大学・大学歯学部を受診した3歳〜15歳までのDental StageIIA期からIVA期の個性正常咬合を有する小児で、調査期間は平成8年6月〜10月の5ヶ月間であった。結果の一部を示すと次のとおりである。咬合接触面積は、第一大臼歯、第二大臼歯の咬合の完成で有意に増大し、側方歯群の交換期は有意に減少した。最大咬合圧はDental Stageによる変化を認めず、平均咬合圧も側方歯群交換期を除きDental Stageによる変化を認めなかった。グミゼリーの飲み込むまでの時間と回数は、IIA期からIIIA期まで減少傾向を示し、IIIA期からIVA期まではほぼ一定の値を示した。 以上の結果から、子供達の食生活で最も問題であるのは食事時間にゆとりがないこと、食事中にテレビをつけるため家族との会話が少ないことなどであることが明らかになった。咀嚼機能検査の基準値については次年度以降に明らかにしていく予定である。
|