1997 Fiscal Year Annual Research Report
フランス文字における心と体の病理-中世から現代まで
Project/Area Number |
08401017
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 城 京都大学, 文学研究科, 教授 (80127315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 真 京都大学, 文学研究科, 助教授 (10238909)
田口 紀子 京都大学, 文学研究科, 助教授 (60201604)
広田 昌義 京都大学, 文学研究科, 教授 (40012421)
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Keywords | 病理 / フランス文学 / 神経症 |
Research Abstract |
平成9年度は、前年度に引き続いてフランス中世から近代に至る文学テクストの病理の問題を、歴史的、政治的、文化的文脈から幅広く研究した。各研究メンバーは、研究発表にあわせて関連文献を前もって調査するなど準備を行った。今年度は以下のように研究集会を開き、研究成果が発表された。 (1)4月、吉田城「プル-ストにおける祖母の病気と死」--『失われた時を求めて』にあらわれた病と死の病理学的記述を分析し、そこに象徴主義的技法が用いられている様子を、草稿資料を中心に検討した。 (2)9月、増田真「ディドロにおける狂気の美しさ」--ディドロの作品における病理、とくに狂気の問題の扱われ方をテクストに即して分析した。 (3)12月、廣田昌義「モンテ-ニュと病気」--『エセ-』にあらわれた病気、病理の問題を、文献学的に調査し、分析した。 いずれの研究集会においても、発表の後活発な質疑応答があり、問題を深めるために有意義な討議が行われた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 吉田 城: "神話と寓意の魅惑-ギュスターヴ・モロ-を見るプル-ストー" 京都大学文学部紀要. 36. 1-53 (1997)
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[Publications] 吉田 城: "大美術館の誕生" 武蔵野美術. 104. 4-8 (1997)
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[Publications] 稲垣 直樹: "宗教と科学のはざま" 京都新聞. H.8/6/3〜H.9/8/18 連載-51回. (1997)
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[Publications] INAGAKI,Naoki.: ""Modernisme" europpeen et "reforme" du haiku" Daruma (Toulouse,France). no2. 53-62 (1997)
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[Publications] SHIMAZAKI,Yoichi: ""La structuration des recits retrospectifs dans le Lancelot en prose"" 龍谷大学紀要. 19-1. 87-110 (1997)
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[Publications] 吉田 城: "神経症者のいる文学-バルザックからプル-ストまで-" 名古屋大学出版会, 352 (1996)
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[Publications] 吉田城, 田口紀子, 多賀茂: "象徴主義の光と影" ミネルヴァ書房, 356 (1997)