1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08404028
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
磯崎 行雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (90144914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 保夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50011599)
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Keywords | 環太平洋 / リフト帯 / 沈み込み / 造山帯 / 付加型 / 活動的大陸縁 |
Research Abstract |
環太平洋地域には、約7〜8億年前に出現したリフト帯及び、その外縁に発達した海洋プレート沈み込み型造山帯が発達している。平成10年度における本研究では、これまでの研究によって確立された、各種構成岩石の正確な年代学に基づいて、日本列島に分布する顕生代の付加型造山帯の基本構造と形成過程とを明らかにした。また、この時開発された研究手法は、カリフォルニア州コルディラ造山帯にも適用され、新たな成果をあげた。そして、この一般的な造山帯形成過程を都城型造山運動と命名した。 さらに、従来不明であった、これらのプレート沈み込み型造山帯の基本的体制が何時成立したのかについても、本研究では、本邦における最古期岩石群の特徴に着目し、それらの起源が約7〜6億年前に超大陸ロディニアが分裂した時に出現したリフト帯にあったことを明らかにした。すなわち、日本列島の成長核となる揚子地塊の海洋側に産する、5億8千万年前のオフィライト(西九州、および北上山地)が太平洋の最古断片を代表することをつきとめた。この事実は、先に解明した付加型造山帯の成長極性と調和的で、揚子地塊の太平洋側大陸縁が、もともとの受動的なものから、約4,5億年前に活動的大陸縁に転換したことを示す。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 磯崎 行雄: "日本列島の起源と付加型造山帯の成長-リフト帯での誕生から都城型造山運動へ" 地質学論集. 50. 89-106 (1998)
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[Publications] 磯崎 行雄: "初期生命の実像:野外地質学と分子生物学的アプローチ" 科学. 68. 821-828 (1998)
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[Publications] 磯崎 行雄: "日本列島の起源はゴンドワナにあらず" 月刊地球. 20. 688-694 (1998)
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[Publications] Bowring, S.A.,: "The Tempo of Mass Extinction and Recovery : The End-Permian Example." Proc.US Natl.Acad.Sci.,. 35-42 (1998)
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[Publications] 丸山 茂徳: "生命と地球の歴史" 岩波書店,東京, 275 (1998)