1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08406011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石城 謙吉 北海道大学, 農学部・附属演習林, 教授 (20001802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青井 俊樹 北海道大学, 農学部・附属演習会, 助教授 (70125277)
大串 隆之 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (10203746)
甲山 隆司 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (60178233)
東 正剛 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (90133777)
戸田 正憲 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (40113592)
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Keywords | 階層構造 / 種多様性 / 繁殖生態 / 昆虫群集 / 鳥類群集 / 樹木群集 / 資源勾配 / 植物網 |
Research Abstract |
1.北方生態系における攪乱地の代表樹種であるヤナギとその葉にゴールを作るハコブハバチの相互作用について調査し、次のことから明らかになった。 (1)本種はヤナギの種、樹齢、クローンに対して強い産卵選好性がある。 (2)植物要因による死亡は、クローンに依存する。 (3)寄生者による死亡は高密度では密度逆依存性を示す。 2.土壌生物、アリ類、鱗翅目昆虫同し亜目昆虫などを材料として、種間相互作用に関する研究を進めるとともに、とくに北海道産アリ類の分類学的整理を行っている。とくに北大苫小牧地方演習林に生息するカドフシアリについで女王型と中間カースト型を発見したが、両型の遺伝子交流は雄のみによっている可能性があり、その進化に関する研究が注目を集めつつある。 3.ショウジョウバエ群集の多様性と森林の3次元構造との対応性を評価するために、北大の中川、雨龍両演習林のシラカンバ林において、葉群分布の定量化とショウジョウバエ類の垂直分布を調査し、異なる林分間で比較した。 亜高木性樹木(アオダモ、ハクウンボク)の結実率や性表現に及ぼす至近要因を調べ、階層構造の発達によって周辺個体との光資源をめぐる競合が重要であることが明らかになった。 5.二次林内にエンクロージャーを設けて森林性鳥類の種類を変えることにより、シジュウカラとゴジュウカラ昆虫群集組成に与える影響を定量化した。 6.森林の階層別にウィンドウトラップを設けることにより、階層ごとに出現する飛翔性昆虫群集が異なることがわかった。 7.発達した森林内に18×15×15mの森林観測足場を作設し、樹木の3次元構造とその維持機構を明らかにするための準備を行った。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] Ohgushi, T.: "Consequences of adult size for survival and reproductive performance in a herbivorous ladybird beetle." Ecological Entomology.21. 47-55 (1996)
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[Publications] Ohgushi, T.: "A reproductive tradeoff in an herbivorous lady beetle : egg resorption and survival." Oecologia.106. 348-351 (1996)
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[Publications] Washitani, I.: "Spatial variation in female fertility related to antagonistic biological interactions with flower consumers and pathogens in a forest metapopulation of Primula sieboldii." Researches on Population Ecology.38. 249-256 (1996)
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[Publications] Ohguchi, T: "A shift toward early reproduction in an introduced herbivorous lady beetle." Ecological Entomology.22 (in press).
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[Publications] 大串隆之: "個体群生態学フロンティア." 日本生態学会誌. (in press).
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[Publications] Ohguchi, T: "Population stability in terms of resource availability in an introduced herbivorous lady beetle." Researches on Population Ecology.(in press).
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[Publications] 大串隆之: "個体の適応形質と個体群の安定性:メカニスティック・アプローチ『昆虫個体群生態学の展開』(久野英二編)" 京都大学学術出版会 京都. 30-52 (1996)
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[Publications] 大串隆之: "「基礎昆虫学」" 朝倉書店 東京. (in press).
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[Publications] 大串隆之: "植物性昆虫と寄生植物との関係「昆虫学 基礎と応用」" 朝倉書店 東京. (in press).
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[Publications] Ohgushi, T.: "Demographic variations in different ecological scales in the herbivorous lady beetle." Populations and Patterns in Biology, Intercept, Andover, UK. (Leather, S. R., Watt, A. D., Mills, N, J. & Walters, K. F. A. [eds.]). (in press).
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[Publications] Ohgushi, T.: "Plant-mediatsd interactions between herbivorousinsects." In Abe, T., Levin S. A. & Higashi, M. (eds.), Biodiversity : An Ecological Perspective, Springer, New York, USA.(in press).
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[Publications] Murakami, T.: "CAP-PCR useful for analyzing the Kin Relatedness of a small ant species." Naturwissenschaften. 84. 1-3 (1997)